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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その6  …HS-208「恋に落ちた騎士」 HS-231「永久なる誓い」 マイ・バレンタイン2009愛の贈り物「美しき娘」 [HQヒストリカル]

久しぶりの更新^^;
「戦士に愛を」子供達世代です

HS-208 「恋に落ちた騎士」
1236年冬(この年の1月にヘンリー3世がエレオノールと結婚)
ヒロイン:アン・デラセイン
ヒーロー:リース・フィッツロイ(29歳)
ディレイニア家に続いてフィッツロイ家の子供が活躍です
仲良しのモーガン家の子供達も出てきます
更に久しぶりにユーリーンとフリーサも出てきます
ユーリーンはジェルヴェ城の城主になっています
ということは、ジェルヴェ伯爵から城を受け継いだということかしら
伯爵は出てこないし、いる気配もないので、どうやらお亡くなりになったようです
さて、物語はリースがアンに一目惚れして、思わず追いかけてしまった所から始まります
読んでるこっちは一目惚れってわかるのに、登場人物が誰もリースが恋をしてしまったと思っていない所が不思議でした。みんな、リースにお前らしくないと言うし、彼だってそう思ってる。なのに、アンに恋したって思わないんだよね
で、リースはデラセイン家と縁続きになりたくないがため、結婚を無効にすることを誓いますが、一目惚れしてる上に結婚しちゃって手を出さないなんて不可能です^^;
そもそも、一目惚れして冷静でない状態だったことが事の始まりなんだから、結婚無効のために自制するなんて無理無理
結婚無効になる前に、お約束でもちろん手を出しちゃいますけど

今回、宮廷で話が始まり、途中ジェルヴェ城に帰ったりもしますが、最後は宮廷で終わります
王の宮廷そのものが舞台になったのはこのシリーズでは初めてですね
やはり、時代背景で、国王が花嫁を迎え、大人になったので宮廷の話も書けるようになったってところでしょうか
さて、今作、キャラクターが立っていて、明らかに次作以降のヒーローであろうと思われる人物が二人
プレイボーイらしきブライズ・モーガンと生真面目で融通のきかなさそうなジェルヴェ・フィッツロイ
そしてこのブライズ、この時どんなに多く見積もっても22歳なんですよね。ということはキーナンは20歳ぐらい。若造だしーー;さすがウェールズ人。早咲だわ
弟のジェルヴェは上に姉がいるので、ブライズと同じぐらいから26歳までの間と思います
彼らの物語が楽しみです
そうそう、ドナルドがやっとゴールインしてましたね。もういい年だと思うんだけど。セルダンは一生独身かな(彼は本によって表記が変わるので統一してあげてほしいわ)



HS-231 「永久なる誓い」
1239年(トレヴェリアンが16歳なので)
ヒロイン:レベッカ
ヒーロー:ブライズ・モーガン(24歳?)
ブライズが若すぎるように思いますが、まあ、24歳なら許容範囲?
しかし、ディランに次ぐプレイボーイのはずが、蓋を開けると意外に真面目^^;
超美形ハンサムで物凄くモテ、それでいて傲慢さのない優しいヒーローには器量の良くないヒロインという約束事でもあるのだろうか
似たパターンを前にも読んだ気がするぞ
不美人だと思い込んでて実は美人だったという王道ではなく、本当の不器量です
いつも思うんだけど、不器量って書かれてるヒロインって、どれだけ美人でも可愛くもないもんなんだろうか。十人並みですらないのかなあ?
まあ、美人の姉を袖にして、不器量な妹に恋をするというパターンは嫌いではないけどね
ストーリーは適度に謎があり、それが徐々に明らかにされていくので、中弛みなく読めました
ただ、謎が少しずつ明らかになり、ロマンスがそれなりに進んでくるまでは、何だかもどかしいです
ブライズのトレヴェリアンへの過保護ぶりも鬱陶しいです。自分はプレイボーイのくせにね
最後はヒューとリリアナも登場して、大団円です



マイ・バレンタイン2009愛の贈り物「美しき娘」
1240年(前作では結婚していなかったし、サー・ニコラスが1240年に結婚するのでその間ぐらいの話かな?と)
ヒロイン:ロザモンド
ヒーロー:キーナン・モーガン(23歳ぐらいかな?)
驚きです。びっくりです。こんな所にスコットランド・ダンキース城主ニコラスが!
リオナと出会う前のお金に困ってるニコラスでしょうか?それとも結婚後かな?
わざわざイングランドの武芸大会に来て、キーナンと同じ競技に参加しているらしいので、結婚前のような気がします
最後のニコラスの登場にびっくりして、他全部吹っ飛んでしまったわ。まさか、こんなとこでお互いのシリーズが繋がるとは思わなかったです
で、肝心のキーナンの物語ですが、短編でも更に短すぎて、ストーリーも何もあったもんじゃないです
とにかく中身がない。ホント、30分ぐらいの暇つぶし用といった感じ
更にキーナンがソツなく真面目な性格で、単なる好青年すぎて個性がない。兄のブライズに比べるとパッとしません
マーガレット・ムーアの主人公では個性がないことが個性ともいえますが……
ヒロインのロザモンドも普通に可もなくも不可もなく、軽率かと思えば分別があったり、衝動的で頑固さんかと思えばとっても素直で堅実
まあ、好きも嫌いもない無難な主人公たちです
やっつけ作品風な感じも受けてしまったりーー;
とにかく、ニコラス登場のためだけの話です!(←こら^^;)

今の所、この作品が最新作でしょうか
「戦士に愛を」はもう書くつもりないのかなあ?
ジェルヴェがとっても気になってるんですけど……
書いてほしいよ~

恋に落ちた騎士―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

恋に落ちた騎士―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 新書



永久なる誓い―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

永久なる誓い―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 新書



マイ・バレンタイン〈2009〉愛の贈りもの

マイ・バレンタイン〈2009〉愛の贈りもの

  • 作者: サンドラ マートン
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 新書


↑「美しき娘」はニンテンドーDS「大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション」でも読めるようです
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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その5  …HS-174「竪琴を奏でる騎士」 クリスマス・ストーリー2001四つの愛の物語 「聖夜の誓い」 [HQヒストリカル]

HS-174 「竪琴を奏でる騎士」
1231年(「愛あればこそ」の数週間後からのスタートのはず)
ヒロイン:エリザベス・ペロネ(24~28ぐらいじゃないかな)
ヒーロー:カークヒーズ卿レイモン・デディエンヌ(38歳)
時系列で言うと、スタートこそ「愛あればこそ」から遅れること数週間ですが、物語は同時進行しているものと思われます
ジュヌヴィエーヴが結婚するはずだった年寄りの婚約者カークヒーズ卿がヒーローです
っていっても、38歳じゃ年寄りってほどでもないよね。ドゲール男爵もそのぐらいだっただろうし
ジュヌヴィエーヴがディランと結婚してしまい、カークヒーズ卿との約束を守るためにエリザベスが担ぎ出されます
このエリザベス、従兄のジュヌヴィエーヴとは異なり、知性も行動力も勇気も分別も覚悟も、いろんな部分で、かなり天晴な女性です
従兄と同じくレディ・キャサリンに師事していたことがあり、「聖夜の誓い」でレディ・キャサリンの過去一番素晴らしかった生徒の回想にエリザベスが出てくるほどです
レイモンとしてはジュヌヴィエーヴではなくエリザベスを獲得できたのは正に幸運だったという話になってます
色々な意味でジュヌヴィエーヴは問題がありすぎるし……衝動的で軽薄な所とか、不妊症とか
レイモンは過去も外見も痛々しいヒーローです
その過去からの因縁を未だに引きずっていて、作品中、非常に重々しい雰囲気です
とはいうものの、レイモンがエリザベスにメロメロになって行く様は楽しかったです
金がないのについついエリザベスに貢いじゃう所とか^^;
ロマンス小説にはあるまじきこと(笑)ですが、中盤には早々にラブラブな夫婦になってしまい、いわゆるロマンスのドキドキ感は薄れてしまいます
その代わり隣人との確執からいつ何が起こるのかと、違うドキドキ感が……ヒストリカルでは出産シーンまで書かれている作品ってあんまりないと思うんですが、その中でも、戦闘中に手伝いが一人もいなくて独りで生んでしまうヒロインというのは初めてのだったのではないだろうか
元々頭の上がらないレイモンですが、一生頭上がらないよね
この夫婦、いつかスピンで会いたいものですが、無理だろうなあ



クリスマス・ストーリー2001 四つの愛の物語 「聖夜の誓い」
1232年(15年間独りだったとキャサリンが独白していて、エリザベスが最初の生徒で1231年の時点で13年前修道院に入る前1年間修業したと言っていたので)
ヒロイン:レディ・キャサリン(31歳)   ヒーロー:レイフ・ブラクトン(32歳)
ヒーローのレイフはかつてドゲール男爵に仕えていた騎士という設定で、作中でエティエンヌとガブリエラのその後が語られています
ただ、年代が微妙に合わない気もするんだよね。息子三人に娘が一人で、その息子は逞しい男に成長しているだろうとレイフは想像していますが、もしガブリエラが初めての時に長男を妊娠していたとしても、まだ8歳だよね^^;
ま、その辺の矛盾は笑って流して
地位も名声も金も領地もないヒーローです
ヒロインのキャサリンは修道女のような感じで、未亡人なんだけどオールドミスといった雰囲気が漂ってます
それもそのはず、彼女はジュヌヴィエーヴ、エリザベス、ジゼルの先生です
本人たちは自分たちを年寄り扱いしてますが、思ったより若くてびっくり
この作品を読むまで、レディ・キャサリンがヒロインになるような年齢だと思ってませんでした
序盤からキャサリンがつんつんした女性だったので、ストレス溜まる系のヒロイン?と身構える所もありました。でも、短編で駆け足ですが話がまとまっているし、話が短いのででキャサリンの頑固さもあまり発揮されず、とても読みやすかったです
マーガレット・ムーアらしい作品でした
華々しい活躍もないし、これからもなさそうな感じですが、レイフのようなキャラクターは嫌いじゃないです
何処かで再登場してくれないかしら……まあ、こっちもないだろうけど^^;

竪琴を奏でる騎士 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS174))

竪琴を奏でる騎士 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS174))

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 新書



四つの愛の物語―クリスマス・ストーリー〈2001〉

四つの愛の物語―クリスマス・ストーリー〈2001〉

  • 作者: リン グレアム
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 新書



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PHS-20 「竜の秘宝を抱く乙女」 デボラ・シモンズ [HQヒストリカル]

PHS-20 「竜の秘宝を抱く乙女」

ディ・バラ家のシリーズ7冊目
六男のレイノルドがヒーローです
恐らく待ってた方も多かったのではないでしょうか
ただ、これまでのディ・バラを想像してると幻滅しちゃうかも
最近のデボラ・シモンズの作風から予想はしていましたが、ロマンスが上品というか、あまり情熱的ではなくてあっさりしています
そういうことにページを割くよりも、主人公の心の動きや物語の展開に重きを置いている感じです
二人の気持ちや擦れ違いなどは丁寧に書かれているんですけどね、作中では結局キス止まりです。それ以上行こうともしないです
だから、デボラ・シモンズの以前の作風を期待するとがっかりかも
また、生まれつき足の悪いレイノルドのコンプレックスがメインのお話なので、作品に流れる雰囲気が陰気で暗いです
私はこういうタイプの主人公が色々とふっ切って行く成長物語が好きですけど、ロマンス小説としては苦手な人もいるのかな
ヒロインのサビーナの性格もアクが強くなくて、実はコンプレックスを持っています
お互い自分の気持ちにいっぱいいっぱいで相手のことまで頭が回らない所とか、考え方が後ろ向きで楽天的に物事をとらえない所とか、非常に良く似たカップルです
最後4ページ前まで^^;二人とも互いに自分は相応しくないと思い込んでるし
もどかしいと思う部分もあるけど、ストーリーの方に比重があるせいか、私はロマンスにストレスは感じませんでした
そのストーリーは「ドラゴンと戦って財宝と姫を獲得する」ってファンタジーアドベンチャー風で、中世騎士物語を地で行くストーリー展開です
本当にドラゴンが出てくるわけがないので、人の仕業というのはすぐに分かります
まあ、内容は捻りもなくオーソドックスで、特に変わった設定もありません。その上ロマンスもあっさり淡泊となると、読ませるものがない^^;
これといって面白いと思える要素がないんです
筆力で読ませる作品になってる気がしました
でも、私的には結構面白かったんですよね
(私が書く無茶苦茶な文を読めばわかるけど)書評ができるほどの能力が私にないので、デボラ・シモンズが凄いのか、私に作品が合っただけなのかは分かんないんだけど
惜しむらくは、レイノルドがコンプレックスに関して兄弟に指摘される前に自分で気づいてほしかったな、と思いました
気づいてはいたんだけど、最後のひと押しだったんでしょうけどね。だから、今までの鬱憤を晴らすように兄弟にぶちまけたんだろうし
最後はドラゴンに打ち勝って、財宝とお姫様を手に入れ、序盤での宣言通り
終盤にディ・バラ家兄弟勢ぞろいが見られて嬉しかったです
駆け足のエピローグ部分もお約束のハッピーエンドで読後感はとっても良かったです
やっぱり作品には作者の年齢も関係するのかな?
passionとimpulsionが感じられなくて、老成した感じを受けてしまう
全体的に突き抜けるようなワクワクドキドキ感がなくて、反対に洗練された大人な感じの作品でした

因みに、前作の翌年なのか、何年か経っているのかが分かりません
すぐ上のロビンとは母親が違うので数年年齢が離れているはずで、翌年だとするとレイノルズは23歳以下ということになってしまう(ロビンの結婚が確か24歳だったので)
きっと、数年経ってるよね
でないニコラスの結婚時の年齢が恐ろしいことに><

さて、デボラ・シモンズはニコラスの物語を現在執筆中だそうです
今回どういう感想を持ったとしても、やっぱりディ・バラ家の最終回が今から楽しみです
邦訳は早くても3年後でしょうけど


竜の秘宝を抱く乙女 (ハーレクイン・ヒストリカルスペシャル)

竜の秘宝を抱く乙女 (ハーレクイン・ヒストリカルスペシャル)

  • 作者: デボラ シモンズ
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/07/29
  • メディア: 単行本



竜の秘宝を抱く乙女 1 (HQ comics ヒ 4-1)

竜の秘宝を抱く乙女 1 (HQ comics ヒ 4-1)

  • 作者: 日高 七緒
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/08/01
  • メディア: コミック



竜の秘宝を抱く乙女 2 (HQ comics ヒ 4-2)

竜の秘宝を抱く乙女 2 (HQ comics ヒ 4-2)

  • 作者: 日高 七緒
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/08/01
  • メディア: コミック



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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その4  …HS-152「秘められた情熱」HS-154「愛あればこそ」HS-156「美酒の甘き香り」 [HQヒストリカル]

HS-152 「秘められた情熱-ディレイニアの息子たち1」

1229年(リアノンの結婚から1年後)
ヒロイン:ショーナ・マクマードック ヒーロー:グリフィズ・ディレイニア(27歳のはず)

とても寡黙で感情を表さないグリフィズ
ディレイニア男爵の長男で、エムリスに何かあったらその称号を継ぐ立場にあり、ハンサムで有能です
こういうヒーローは傲慢系?と思っていましたが、傲慢な所は全くなかったです
彼はロアンナ似だそうです。彼女そんなに無口だったかな?「剣と竪琴」では無口で寡黙なイメージがなかったんだけど
グリフィズとショーナは一目惚れで、二人とも性格が良いし、お互いに自分の気持ちに素直なので、そういう意味では障害がありません
ただ、ショーナが女性的な身勝手さと弱さを持っていたのが残念でした
それがないと話が成り立たないんですけどね
無理強いされたとはいえ、それほど抵抗せずに婚約しちゃうし、婚約が分かっていながらグリフィズに身をまかせちゃうし、グリフィズが将来の結婚の話をするがままにしてるし(止めてやれよ、それか、罪悪感を感じて聞かないようにするとかさあ。すごいグリフィズが痛々しく感じちゃう)、最後はグリフィズを捨てるし……って、最低だな、ショーナ^^;
都合良くオーラフが逃げてくれたからいいものの、彼女は自分では何にも行動を起こしていないんですよね
全部周りの人が事件をお膳立てしています
まあ、それはグリフィズも同じなんだけど
最後はエムリスが何とかしてくれてるし……父ちゃん頼みかよーー;
二人とも日和見というか、流されまくっているのが、私としては微妙なところでした
何か今一つだなあと感じるのですが、エムリスの子供達の話は全部そんな感じですね><



HS-154 「愛あればこそ-ディレイニアの息子たち2」

1231年(ショーナが二人目妊娠中で上の子が1歳になっていないということなので)
ヒロイン:ジュヌヴィエーヴ ヒーロー:ディラン・ディレイニア(29歳)

かなり微妙なカップルです
衝動的で無分別で思い込みの激しい美人のジュヌヴィエーヴと、軽薄で女にだらしなく、私生児が3人もいるディラン
まあ、お似合いといえばお似合いのカップルではあるんですけどね
どっちも私の嫌いな主人公たちなんですよね
ジュヌヴィエーヴは自分のしたことを後悔してその結果を受け入れる覚悟をし、反省もしているので、まだ受け入れ可能です。しかし、ディランの他人の感情に無頓着で、軽薄で責任感のなさはもう駄目です
軽薄なのはまだ許せるとしても、責任感が欠如しているのは如何ともしがたい
更に自分が私生児だと思っていないとは言っても、結婚相手がそれをどうとらえ、どう感じるかぐらいは配慮してしかるべきです
子供に対して悪感情は持たなくても、その母親が目の届く所で暮らしていて平静でいられるわけがないのにね
作中でラニレッドの子はディランの子ではないとはっきりしていますし、ジュヌヴィエーヴにも伝えています
メアの子は、メア自身が誰の子かわからないとジュヌヴィエーヴに言っています
これらから、もしかしてアンガラッドの子も?子供ができないのは実はディランの所為で、キンリクの業?と思いましたが、次作を読んでるとどうやらディランには問題なさそう
次作でも子供ができない二人だし、読後が完全なハッピーエンドじゃなくて少し不満でした
まあ、日本語のタイトルは珍しくストーリーに合ったものを付けたなと思いましたけど

ジュヌヴィエーヴがレディ・キャサリンに8年間師事しています
ということは、2年ほどジゼルとも一緒に暮らしていたはずだから、二人は顔見知りですね。まあ、作中では何も書かれてなかったけどね



HS-156 「美酒の甘き香り-ディレイニアの息子たち3」

ヒロイン:メア
ヒーロー:トリスタン・ディレイニア

エムリスの息子たちの代になって、王道とは言い難いストーリーが続きます
その中でも、この話は「ああ、マーガレット・ムーアだーー;」と思わせる物語です
何しろヒロインのメアが未婚の子持ちで、相手が前作ヒーローのディランです
前作では誰の子かわからないと言っていましたが、どうやらディランが父親で間違いがないらしい
トリスタンに嫌われていると思い、次々に色んな男性に身を任せます
二股はかけていないといえ、関係を持った男性は数知れず^^;
だめだー! 私生児はウェールズの文化かもしれないが、子持ちのくせに、何度も恋人が変わる女性は理解できない
ディランも受け付けなかったけど、メアはもっと無理
トリスタンはトリスタンで煮え切らないし……
最後にトリスタンは出世したし、メアは子沢山で二人は幸せに暮らしましたって結末を書かれても、納得いかないし、後味が悪すぎる
結局アンガラッドの予言通りにトリスタンとメアがくっついてしまったし、ということは、ジュヌヴィエーヴは子供ができないってことだしねえ。やっぱりキンリクの業なのかなあ
どうにも物語が丸く収まったのも彼女の預言だから、読後感が悪かったです
物語自体は変わっていて面白かったように思います。まあ、ヒロインが納得できるかどうかだけですね

ヒーロー、ヒロイン候補が見当たらなかったので、この物語でディレイニア家の話は終わりかな

秘められた情熱―ディレイニアの息子たち 1 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS152))

秘められた情熱―ディレイニアの息子たち 1 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS152))

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 新書



愛あればこそ―ディレイニアの息子たち 2 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS154))

愛あればこそ―ディレイニアの息子たち 2 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS154))

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 新書



美酒の甘き香り―ディレイニアの息子たち 3 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS156))

美酒の甘き香り―ディレイニアの息子たち 3 (ハーレクイン・ヒストリカル―戦士に愛を (HS156))

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 新書



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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その3  …HS-54「12日目の夜に」(騎士たちのクリスマス)HS-123「長き旅の終わり」HS-148「気高き騎士」 [HQヒストリカル]

HS-54 「12日目の夜に」(「騎士たちのクリスマス」収録)
1226年
ヒロイン:ジゼル   ヒーロー:マイルズ・バクストン
二人とも若いんだろうなあ
と思わせる内容でした
お互いに思ってることも考えてることも青くって^^;
特にヒロインのジゼル。結婚した友達が遊びに来ないからって夫に縛られてると考えるなんて、どれだけ結婚不信なんだ……
これが長編だったら、ヒロインにウンザリしてストレス溜まりまくっただろうけど、短編なのでそういうこともなく、さらりと楽しんで読めました
ジゼルの行動や行動原理には全く共感できませんでしたが><
そうそう、この話、テリー・ブリズビン「悪魔に魅せられて」(「春色の花嫁」収録)を思い出しました
こっちの作品の方が古いと思うけど
ヒーローがヒロインを想って自由を与えることで愛を示し、ヒロインはその行為に愛を返すという話は短編向きなんですかね
さて、主役の二人とも「戦士に愛を」の今までの話に直接は関係ありません
とはいうものの、世界観、登場人物の繋がりがあるので「戦士に愛を」シリーズの一つですね
ヒロインのジゼルがこれ以降の作品に出てくるヒロイン達と同じように花嫁修業の先生であるレディ・キャサリンに師事していたということ
城の客人にジョージ・ド・グラマシーがいるということの2点だけの接点なんですけどね
ていうか、ジョージってばドゲール男爵の臣下の誓いからは解放されたということ?



HS-123 「長き旅の終わり」
1227年
ヒロイン:アイリアス・ドゥゴール   ヒーロー:ジョージ・ド・グラマシー
21年前の「約束の地へ」で登場した時に既に騎士だったし、15年結婚から逃げていたというので、どんなに若くても40歳ぐらいだと思うんだけど……ユーリーンと同じか少し若いぐらいとフリーサが考えていたから、へたすりゃ45歳ぐらいだよ><
40代には思えないし、もしそうなら、アイリスは何才なんだ?という疑問が^^;
だって、お互い子供の時に遊んでるらしいし、最後にアイリスに会った時にジョージはムラッときてる(藁)わけだから、そんなに年齢差がないと思うんだよね。そう言えば、作中でユーリーンが師匠だと言ってたなあ……やっぱりジョージはもっと若いのかな?
そのアイリスは結婚適齢期ということなので行ってても23歳ぐらいだと思うんだけど。下手するともっと若いかも
更に、2月にドゲール男爵から暇をもらったってジョージが説明してたけど、「12日目の夜に」のクリスマスはどうして男爵の所にいなかったのか……なんて疑問も^^;
それはそうとして、めかし屋の怠け者だなんて、サーと呼ばれるヒーローとしては珍しいタイプでした
反対にヒロインのアイリアスは野獣系です^^;
始まりは美女と野獣ならぬ、バーバリアン(野蛮人)と貴公子って感じです。でも、マーガレット・ムーアのヒロインらしくとても素直で健気です
普通の女の子が男の子として育てられちゃったって感じで、本人は根はとても女らしいと思うのね
惚れた相手のために自分が変わろうとするのは、やっぱ女の特長だよね
で、貴公子かと思っていたジョージは自分のことを獣と思っています
まあ、自制心のタガが外れると理性も道徳心もなくなり、衝動のまま行動するその姿は確かに野獣かも
外見や振る舞いに反して、考え方も直球で浅いし……ジョージの方は根が衝動的で破壊的なんですよね。それを経験と自制心で何とか抑えているんです
結局は美女と野獣ということで^^;
ヒロイン、ヒーロー共に成長しきれない未熟な所(特にジョージね)があって、物語は面白かったです
ロマンス小説といえど、主人公が成長する話は楽しく読めますね



HS-148 「気高き騎士」
1228年
ヒロイン:リアノン・ディレイニア(「約束の地へ」で次男が丁度生まれるところだったので、24歳ではないかと推測)
ヒーロー:ブライス・フレシャット(彼も若い気がする)
一作目から27年も経っているんですね
エムリスも56歳ぐらいで、もう成人した3人の子持ちだしねえ
ということで、ここから、ディレイニア家の物語が続きます
ヒーローは「孤独な領主」で登場したガブリエラの兄、ブライスです
前回登場時に借金を返すための金貨を持っていたはずですが、すべてドゲール男爵への借金返済に充てられたのかな?
今作では一文無しのハンサム貧乏戦士での登場です
身一つで父親の借金を返せるぐらいの額を貯めたブライスですから、腕がものすごく立つことは前作で気づいても良さそうなものでした
しかしこの話、物凄くもどかしいんですよね
ウェールズの文化に詳しくないブライスがサーの称号と領地を餌に騙されて悪事に手を貸すというお話なんです
本人はどこか違和感を感じながらも、ウェールズ語が分からないし、第一印象でリアノンがキンヴェリンに好意を持ってると思ってる上に婚約していると思い込んでるので、誘拐に手を貸しちゃうんですよね
ブライスをおバカと思うか、生真面目と思うかで話を受け入れられるか入れられないかが決まると思います
でも、父親のエムリスもロアンナを誘拐したしねえ。ブライスが気づかないのも仕方ないのかなあ
この作品、因果応報というか、「剣と竪琴」をオマージュにしてるのかな
しかし、ブライスがこの勘違いに気づくまでが長い!それに、リアノンとの接触が少ない気がする
更にはロマンスがちょっと物足りなかったです。求愛も結局リアノンからだ……ブライスはキスするので精いっぱいといった感じでした
でも欠点だらけの美形ヒーローは嫌いじゃない。ちょっと陰気な雰囲気だったけど^^;
リアノンはちょっと軽薄で、好きではないタイプのヒロインでした。まあ、作中エムリスも言ってるように、性格はお父さん似なので仕方がないのかな
ロアンナの誘拐にしろ、結婚にしろ、エムリスもかなり衝動的だったもんなあ
そうそう、ドゲール男爵にはとことん嫌われてた彼ですが、ディレイニア男爵には好意を持ってもらえたようです


さて、今作は懐かしのヒュー、ユーリーンが登場です
更にはエムリスの息子グリフィズ、キンリクの息子ディランも顔見せしています
次作以降が楽しみです

騎士たちのクリスマス (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

騎士たちのクリスマス (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: スザーン バークレー
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/12
  • メディア: 新書



長き旅の終わり−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

長き旅の終わり−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 新書



気高き騎士−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

気高き騎士−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 新書



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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その2  …HS-66「ウェールズは遠く」HS-99「赤毛の貴婦人」HS-112「孤独な領主」 [HQヒストリカル]

ここからはしばらくディレイニア家から離れます

HS-66「ウェールズは遠く」
1222年夏まで?
ヒロイン:マデリン・ド・モンモラシー   ヒーロー:ダーヴィズ・アプ・イオロ
前作、深手を負って、望み通りヒューに捨てられたダーヴィズがヒーローです
物語の発生時期を確認していて、実は前作でダーヴィズが死にかけてから6年も経っていることに気づきました
ということは、6年も修道院に厄介になっていたようだ。ノルマンフランス語が話せるようになってても当たり前ですね
見事に何も持たないヒーローなので、どう話を持っていくのかと思っていたら、実はウェールズの高貴な出だった……という設定。まあ、忠実な部下(仲間?)以外、何にも持ってないのは持ってないんだけどね
更にはラストでエムリスに繋がります。残念ながら、本人は出てきませんけど。でも、ユーリーンやヒューが活躍していて嬉しい限りです。二人ともとても良い役どころでしたし
ヒロインのマデリンは好きではないタイプでしたが、ダーヴィズはかなりツボでした
ヒューがダーヴィスを見逃し(たぶん)たり、ユーリーンが二人を庇ったり、思わず嬉しくなる場面があります
ストーリーの展開も後半、特にマデリンがロジェに連れ戻されてからはハラハラしながらも先が気になって仕方がない緊張感があって、ページをめくる手が止まりませんでした
そう来るか!って感じです
特に最後にナイトの称号を拒否したダーヴィズは素敵です
ウェールズ人であることと名に誇りを持っているダーヴィズと、自分自身の存在にコンプレックスを持っていたユーリーンとは対照的でした
その二人の間に何かしらの友情が芽生えてる所も深いなあと思ったり……

因みに、「イオロ」の意味がとても気になったので調べてみた所、「handsome Lord」という意味らしい。つまり、ダーヴィズ・アプ・イオロとは偉大なる領主(イオロ)の息子ダーヴィズという意味のようだ。更には顔立ちの整ったいう意味でのハンサムの意味もあるのかも
そういう意味なら、確かに自称するような名前ではないな^^;
まあ、ウェールズの王家の血筋らしいので、イオロの名を持っていたお父さんはプリンスだったのかもね
それにしては前作では悪役のイーヴァー・ロードリの方が血筋がよさそうな書かれ方だったけど……イーヴァーはロードリ・マール(9世紀にウェールズを統一した王)の血筋ってことだったのかな



HS-99「赤毛の貴婦人」
1222年夏から?
ヒロイン:マイナ・チルコット   ヒーロー:ロジェ・ド・モンモランシー
前作最後に男を上げたロジェがヒーローです
話も前作からほぼ続いています
二人とも自尊心が強過ぎるゆえの、すれ違いと誤解の物語です。ハーレクインの王道ですね
その割にあまりストレスが溜まらなかったのは、ストーリーに波があって上手く纏まっていたからでしょうか
ロジェのマイナへの気持ちが強くて、メロメロ過ぎて笑っちゃうぐらいだったし^^;
前作のロジェのイメージが強いもんで、ここまで壊れるとは嬉しい限りです
恋で壊れちゃうヒーローは、これまた私の好物です
脇役も良い意味で話を盛り上げてくれます
マデリンに逃げられた(まあ、お互い乗り気ではなかった訳ですが)レジナルドが意外に良い人で、召使いとくっ付いちゃうのはびっくりでした
ていうか、部下でも臣下でもなく、貴族の地位からすると自分の方が上と知っているのにドゲール男爵の言い成りなレジナルドが哀れというか……
最後は臣下に下っちゃうしねえ
こういう所が中世の騎士の概念が難しいなあと思う所です
時代によって騎士の存在意義が違うしねえ
この作品は「ウェールズは遠く」とセットで読むのをお勧めします



HS-112 「孤独な領主」
1223年
ヒロイン:ガブリエラ・フレシャット   ヒーロー:エティエンヌ・ドゲール男爵
「ウェールズは遠く」「赤毛の貴婦人」から続いてます
ドゲール男爵は力のある貴族として出てきます
この時代、男爵の爵位を持っている貴族は直接国王に領地をもらい、忠誠を誓っているんですね。だから領主としては自分がトップにいるということ
つまり、エティエンヌとエムリスは格で言うと同じですね
で、伯爵(Earl)の爵位が男爵の爵位の上かというとそうでもないらしく、その爵位の意味と成り立ちが異なっているだけだったようです。伯爵の方は国王に領地を貰ったのではないということなのかな?調べてみても、この辺が良く分かりません
とりあえず、伯爵位が土地に付属しているということのようだ
男爵位に関しては土地とは関係なく個人に贈られるもののようらしい
でもまあ、そうなるとブライスがウエストボロー伯爵位を失って(つまり、国王が土地をフレシェット家から奪った)その領地をドゲール男爵が賜ったのも何となく理解できます
爵位に上下関係ができたのは14世紀になってからだそうです
こういう貴族事情だったので、伯爵の娘であるガブリエラが、一瞬にして召使いの地位にまで落ちてしまったのが納得いきました
これ、16世紀以降だったら父親が謀反を起こしたということ以外に娘が貴族でなくなるという状況がないですよね(貧乏で働いていても貴族は貴族だし)
ある程度時代背景が理解できてないとヒストリカルは納得いかないことばっかりです
さてさて、エティエンヌは愛人のいるヒーローです。過去形ではなく、現在進行形です
んでもって、かなりガブリエルに意地悪です
でもガブリエルはとっても健気だし、素直だし、間違いはきちんと認めるし、自分の状況が変わったことを受け入れて学習できる、とても素敵な女性です
かなり傲慢なヒーローで、好きじゃないタイプかもと……と初めのうちはビクついていた私ですが、さすが、マーガレット・ムーア。ただの傲慢ではありません
前作のロジェと系統が似てると思います。恋で壊れる系のヒーローでした*^^*(とは言うものの、恋で壊れないヒーローはいないんだけども)

エムリス、ヒュー関係は出てきません。名前でも出てこなかった気がする。更にはロジェも出てこないので、ちょっと残念
でも、再登場の騎士たちがいます
「約束の地へ」でかっこいいお兄さんぽく登場したジョージ・ド・グラマシー
更には同じく「約束の地へ」でユーリーンに鍛えられていた従士二人。そう、あのドナルドとセルダン!
同じ年ぐらいのヒューがかなり前に結婚しているので、二人もいい年のはず。しかし、この二人、何となく華がない気がする^^;何でだろう
そして、従者の時からセルダンの性格が180度変わっていて面白かったです。超真面目な堅物人間になってしまったようだし、彼がヒーローの話があればいいのに

ウェールズは遠く−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

ウェールズは遠く−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 新書



赤毛の貴婦人−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

赤毛の貴婦人−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 新書



孤独な領主−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

孤独な領主−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 新書



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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その1  …HS-37「剣と竪琴」 HS-45「約束の地へ」 HS-49「羊飼いと姫君」 [HQヒストリカル]

マーガレット・ムーアの「戦士に愛を」シリーズです
集め出して、早2年
やっとです
最近リージェンシーばっかり読んでいたので、ちょっと新鮮な感じで楽しく読めました

HS-37「剣と竪琴」
1201年
ヒロイン:ノルマン貴族ロアンナ  
ヒーロー:ウェールズとノルマンのハーフ、エムリス・ディレイニア(29歳?)

略奪は中世ロマンスお約束ですね
ロアンナが嫁入りのために旅をしている最中に、エムリスが花嫁を誘拐します
元々は、誘拐が目的ではなかったのですが、一目惚れして連れてっちゃうんです。初めは一目惚れだと思ってないですけどね
ヒロインのロアンナは従順で頭が良く、とても芯の強い女性なので、とても安定していてストレスを感じません
でも、エムリスの方が体に問題を抱えていて、もどかしいです
体の中心に達している怪我が元で、彼は自分がそういうことができないし、子供も作れないと思い込んでいるんです
内容が内容なので、誰にも相談していないし、誰も気づかない。エムリスの葛藤も分かりますが、結婚したのに無視され、理由も教えてもらえないロアンナが可哀そうです
この問題と、ロアンナの元婚約者でエムリスの従兄のキンリクとの確執がストーリの核になります
従兄との確執の方は王道で分かりやすい……と思っていたら、実は従兄ではなく……というちょっとした仕掛け(?)が中盤に
全体的に中世ロマンスの王道と感じましたが、色々な部分でマーガレット・ムーアらしい裏切りがあります
純粋に面白かったです
色々欠点があって、苦悩するヒーローは私好みですしね

さて、話の所々に出てくるユーリーン・フィッツロイがとても気になる存在。スピンがあるんだろうなと思わせます
更に、とっても整った天使のような顔立ちの少年ヒューも描かれ方が気になります。と思っていたら、こっちも次作以降のヒーローで登場なんですね



HS-45「約束の地へ」
1206年(エムリスと5年前に出会ったと言っているので)
ヒロイン:フリーサ   ヒーロー:ユーリーン・フィッツロイ

ユーリーンがただの兵士で、平民で、庶子なのでどう考えてもフリーサに釣り合いません
まあ、お約束で最後には騎士になって領地を手に入れるんだろうけど……と思って読み終えました。騎士にはなりましたが、領地はありません
さすがマーガレット・ムーア。またもや予想を裏切ってくれました。ユーリーンとフリーサが結婚後にどうなるのかは、以降の作品で明らかになります。特に息子達の時代になってからね
って、初めに結末書いてどうするんだ私^^;
サクソン人の貧乏伯爵の娘で、父親に捨てられてジェルヴェ伯爵に育てられたフリーサと庶子で農民の出であることにコンプレックスを持っているユーリーンの物語です
おや?この時代には珍しく、二人ともノルマンではなくサクソン人なんだと今さら気付きました(ユーリーンの父親がノルマン人でなければですが)
あまり表には出てませんでしたが
11~13世紀はいろいろと複雑ですよね
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、現在の英国の原型ができてきたのが13世紀。丁度「戦士に愛を」の時代背景です
この少し前にノルマンクエストがあり、アングロサクソン系の領主が姿を消します
フリーサは父親に捨てられたと言っていますが、時代を考えると政治的な事情があったんだと思います
物語は悪女のアデラ対フリーサの様相を呈していきますが、後から考えると小姑フリーサの存在が最大の原因だった気がします
父親から捨てられたと一方的な考えで傷付いていたフリーサを考えると、アデラに対しても初めから嫌っていた節があります
フリーサ自身の我も強いし、女二人が女主人であることを主張していては、そりゃ上手くいかないよね
ストーリーを読み進めている時は何とも思わなかったですが、読み終わった後に何だか後味の悪い想いがありました
アデラが哀れでした。けして初めから悪女だった訳ではなく、フリーサの存在が彼女を破滅に導いたような気がしました
ユーリーンが騎士になる前にフリーサに手を出しちゃったところも不満な部分でした
とは言いつつ、前作ほど王道ではなかったですが面白かったです
そして、やっぱり私生児で苦悩するヒーローが好きな私です^^;

さてさて、この作品では気になる人が何人も出ています
前作少年だったヒューはエムリスの従者として立派に成長してるし、サー・ジョージ・ド・グラマシーは何だか格好いいお兄さんのようだ。ヒューと一緒にユーリーンに叱られたドナルド、反省して良い子になったセルダン、2年前に奥さんを亡くしてるトレヴェリアン伯爵も気になる所



HS-49「羊飼いと姫君」
1215年(ジョン王が生きていて、マグナ・カルタを受け入れたとあったので)
ヒロイン:トレヴェリアン伯爵の一人娘リリアナ(19歳)   
ヒーロー:ヒュー・モーガン(22歳)

若造ヒューが登場です。前作「約束の地へ」でヒューが13歳だったので、今作では22歳ですね。若っ!
リリアナが19歳だし、ストーリーに流れている明るさや軽薄さは納得です
超お嬢様のレディ・リリアナと羊飼いの息子に生まれた騎士ヒュー
ヒューの逆玉物語です
しかし、私はリリアナに問題があるようには思えなかったんだけどなあ
伯爵の一人娘でずっと女主人をしていたリリアナだから、気位が高いのは当たり前だし、頑固なのも仕方がない。でも、頑固といっても、間違いは認めるし、素直だし、努力家だし、特にヒロインとしての難はなかったです
まあ、若いからちょっと衝動的な所が難と言えば難かな。とはいえ、年齢からするとまだ分別がある方だと思いました
彼女の気持ちに配慮しない、彼女の話を真面目に聞かない、彼女を信頼しないヒューは問題ありすぎだけど
ヒューはリリアナにコンプレックスを感じていたのかな?
物語は全体的に軽い感じで読み易かったです
ロマンスも普通に楽しめました。お互いに自分の気持ちに素直になるシーンは思わず微笑みたくなるような優しい気持ちになります
前作、前々作に比べると初々しくて微笑ましい二人でした

ダーヴィズの出番が待ち遠しい感じですが、ウェールズ人反逆者である彼が騎士になったり領主になったりする話は想像できません。楽しみですね

剣と竪琴−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

剣と竪琴−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: 新書



約束の地へ―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

約束の地へ―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 新書



羊飼いと姫君−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

羊飼いと姫君−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 新書



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ジュリエット・ランドン HS-316「放蕩貴族の愛人」 HS-324「買われた令嬢」 HS-381「うぶな愛人」 [HQヒストリカル]

HS-316 「放蕩貴族の愛人」

ジュリエット・ランドンなので中世から17世紀ぐらいまでかなっと思いながら読み進めてしまいましたが、しっかりリージェンシーでした
よく考えたら、表紙の服が19世紀ですね^^;
ヒロインのアメリーがなんちゃって未亡人です。亡き夫には愛されていて仲が良かったけれど、そういう関係は一切なかったという設定
ハーレクインでは良くある設定ですが、未亡人なのに乙女って場合の理由とかがあまりにも安易であまり好きではないです。納得できない理由の場合が多かったりします
今回はストーリーの核心とこの理由が上手く絡まっていて、ヒロインがなんちゃって未亡人であることを納得できました
お相手のエリオットですが、ジュリエット・ランドンらしいヒーローでした。つまり、私の苦手な完璧傲慢系ですね
アメリーの方も結構傲慢で支離滅裂なところがあって私としてはかなりストレスが溜まる作品に……><
メインの二人にはあまり感情移入できないし、楽しくも読めませんでした
そんな中で、カテリーナのロマンスは救いです。シートンとの仲が気になって仕方ありませんでした
更に最初から最後までシートンになんとも思われてないカテリーナが切ないです
次作で幸せになれるんですが、私はここでカテリーナに幸せになってもらいたかったなあ
このままの彼女で次作へ進んでほしかったけど、かんっぜんに、性格変わってしまいました


HS-324 「買われた令嬢」

前作で気になったカテリーナがヒロインです。ヒーローは何でも完璧で非の打ちどころがないチェイス
うーん…ジュリエット・ランドン節全開の今作は私には辛かった
おそらく彼女の他の作品(「薔薇の冠」「仮面を外した花嫁」等)が面白いと思える人には楽しい内容だと思います
私はいつも通り、ヒーローが完璧過ぎて、ヒロインが彼の掌の上で踊らされてる感じがとても嫌でした
また、シートンの気持ちが中途半端で、チェイスが歯牙にもかけてないのも面白くない要因かな
もっとカテリーナとシートンの間で何かあって欲しかったし、チェイスにも嫉妬してもらいたかったです
私としてはチェイスが超然としすぎなのが不満です
そして、カテリーナ。性格変わりすぎだろ
どうせなら、17歳のままの性格で成長してほしかった
ジュリエット・ランドンのヒロインは個性がなく、みんな同じ性格ですよね
まあ、ヒーローも個性なく完璧で傲慢って感じがほとんどなんだけど
カテリーナの歌手という設定も生きてなかったように思えた。どうせならそこは、彼女が歌ってる時に一目惚れをして……というストーリーの方が買われた令嬢として納得いくんだけども
実際は借金の返済を求めてカテリーナの父親に会いに来た時に一目惚れなんだよね。歌が関係ないよ^^;
それに、やっぱり私としては17歳のカテリーナを応援する気持ちが燻ってるんですよ
前作の「放蕩貴族の愛人」がなければもっと面白く読めたのかな?


HS-381 「うぶな愛人」

シートンがヒーローで登場です
そして、読んでてびっくりしたんですが、良い意味でジュリエット・ランドンらしからぬ^^;ヒロインのレティシアでした。今まで読んだ彼女の作品の中で一番ストレスなく、楽しく読めたからです
レティシアは納得できる頑固さだったし、ちゃんとヒーローの親切を素直に受け入れるし、反省もできる
ジュリエット・ランドンで良くある無意味な頑なさや、無意味な反発、傲慢な反応などが少なく感じました
つまるところ、シートンが傲慢じゃないのでレティシアも素直になり易かったということかな
レティシアがシートンは傲慢だと感じることが何度もありますが、読んでいるこっちは全く傲慢さを感じませんでした
前作、前々作のどこか飄々としている彼のイメージが強いためか、レティシアに振り回されているシートンがとっても良かったです
過去のジュリエット・ランドン作品のヒーローのように、ヒロインを教育しようというような、何でもお見通しというような傲慢さを覗かせはするんですが、レティシアがそうはさせないんです
それゆえ、シートンは起こったことに対してソツなく対処はするものの、レティシアを抑えつけたり軌道修正させたり操ったりしないんです
レティシアの周囲でロマンスにばっかり頭を悩ませていられない出来事が立て続けに起こる展開も二人の主人公にストレスを感じない理由かな
起こった事態に対してどう解決するか、レティシアは理性的に考えて動きます。衝動的でない所がミソ
そして、対処中に困ったことが起きた時だけシートンが張り切って手助けする
最初から最後まで彼に頼る訳ではないし、大抵レティシアが頑張っている最中でシートンが事態を知り、本当に彼女が助けてほしい時に手を出すというパターンが何度かあります
ヒロインが自力で乗り越えろよ……というような不快感を感じなかったです←このパターン、ヒロイン側が悶々として素直になれず、こっちにストレス溜まるんですよね
ジュリエット・ランドンが苦手な人でも楽しく読める希有な作品!と私は感じました

放蕩貴族の愛人 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

放蕩貴族の愛人 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: ジュリエット ランドン
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 新書



買われた令嬢 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

買われた令嬢 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: ジュリエット ランドン
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 新書



うぶな愛人 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

うぶな愛人 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: ジュリエット ランドン
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2009/10
  • メディア: 新書



スピン
「仮面をはずした花嫁」
ニコラス、シートンの先祖の話で、「放蕩貴族の愛人」の作中で語られています

仮面をはずした花嫁 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

仮面をはずした花嫁 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: ジュリエット ランドン
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 新書



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PHS-18 「紳士と乙女の密約」 ジョアンナ・メイトランド [HQヒストリカル]

7月5日の新刊です
エイキンヘッドオナーズ3作目
ヒーローはエイキンヘッド家三男のジャックです
前作の終盤と今作の序盤が重なっています
ジャックがやっぱり色々と詰めが甘くて頼りなさはありましたが、前作までと比べるとちょっとは成長したのかな?
それに、ヒロインのマグリットがしっかり者でぐいぐいと引っ張っていく展開でした
ナポレオンがエルバ島脱出直後から話が始まるので、全体的に動きがあって読みやすいです
前作が前作だっただけに、ジャックがスパイっぽいのも良かったです
ロマンスに関してはフランス人のマグリットがいろんな意味で積極的でした
まあ、ジャックは自分の誓いに雁字搦めで何にも出来ないんですけどね
傲慢でないし、欠点がいっぱいのジャックなので、お兄ちゃん'Sに比べると格好良さでいうと落ちますが、私は愛嬌があって好きです
そして、メインの裏でひそかに進んでいたベンとスザンヌのロマンスが気になるところではあります
エピローグで全員集合で大団円的な終わり方かと思ったら、ここからまだ冒険が^^;
これ、「His Silken Seduction 」、ベンとスザンヌのストーリーへと続くのかしら?
電子書籍専用なので、邦訳はしてくれそうにありませんけど


PHS 紳士と乙女の密約 (ハーレクイン新書)

PHS 紳士と乙女の密約 (ハーレクイン新書)

  • 作者: ジョアンナ・メイトランド
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/07/01
  • メディア: 単行本



放蕩貴族を愛したら (ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル)

放蕩貴族を愛したら (ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル)

  • 作者: ジョアンナ メイトランド
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 単行本



仮面舞踏会は公爵と (ハーレクイン・ヒストリカルスペシャル)

仮面舞踏会は公爵と (ハーレクイン・ヒストリカルスペシャル)

  • 作者: ジョアンナ メイトランド
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/01
  • メディア: 新書



「仮面舞踏会は公爵と」は純粋に面白いと思ったのですが、他の2作はちょっと癖があるかな
そういえば、このシリーズはヒロインが全員外国人なんですね
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マーガレット・ムーア HS-297「麗しき放蕩貴族」 HS-313「黒の公爵」 HS-321「放蕩貴族の初恋」 [HQヒストリカル]

HS-297 「麗しき放蕩貴族」

ヒーローのパリスが学習障害(おそらくディスレキシア)を持っている珍しいタイプです
時代が時代なので障害とは言及されていませんが、日本と違って向こうでは周知の障害らしいので、読む人に説明が必要ないのかな
裏表紙のあらすじのあおり文句が「陽気な紳士のぼくの頭が、実は空っぽだとばれたらどうしよう」なんですが、読み進めると、この文句の意味が分かりません
なぜなら、パリスの頭は空っぽじゃないからです
それどころか、とても頭が良いと思えてくるのです
文字が読めない=馬鹿ではないですよね
まあ、この文句を考えた人がディスレキシアのことを全く知らない人なんだと思います
外見は良いし、地位も金も持ってるし、頭も良いし、性格も良い。完璧なヒーローなんだけど、ディスレキシアなので文字を中々理解できず、それをコンプレックスに感じている
欠点のあるヒーローが好きな私には堪らない設定でした*^^*
で、ヒロインのクララがとっても頭の良い秀才タイプ
本が大好きで、語学も大好き。数ヶ国語を読み書きできる才女
知識に対しての執着が凄まじく、知識を馬鹿にされると切れてしまいます^^;本を読まない人は軽蔑の対象(そこまではひどくないかな)
そんなヒロインですから、好きな人に蔑まれると思うと、文字が読めないなんて口が裂けても言えないパリスの気持ちが分かります
自分が男性に好意を持たれる訳がないと思い込んでいるヒロインは王道なのでいつも通りだなあと特に何も思わなかったのですが、コンプレックスを持っているために正直になれない煮え切らないヒーローがもどかしくって素敵でした。って、他の人はどうかわかりませんが、私のツボなんです~
クララの叔父さん叔母さん、ピムブレット家の面々やパリスの友人・執事や側遣いなどの個性が立ってて、ケイシー・マイケル風なドタバタ感がありましたが、あそこまでキャラが強くないので反って読み易かったと思います


HS-313 「黒の公爵」

時代はヴィクトリア朝中期。英国絶頂期です。話の内容や雰囲気はリージェンシーと同じです
前作では影が薄いけどクララに気に入られていたへスターがヒロインです
美人ではない冴えない女へ、誰もが羨むようなハンサム二人が本気で求婚するという、乙女の夢が詰まってる話でした
へスターもエイドリアンも人に不快感を与える性格でないし、相手を好きなことを自分自身に否定したりもしないので、ストレスも全く感じません
ただ、展開も設定も無難にまとまっていて、非常に読みやすい半面、あまり記憶に残る話ではないかなあという気はしました
一番キャラが立っていたのは駄々っ子エリオットですね
彼の印象は読後も強く残った気がします
まあ、次作ヒーローですし、存在感があるのは当たり前なんですけどね
「麗しき放蕩貴族」からのストーリーの繋がりはないので、これだけで独立して読んでも楽しめます。
前作を読んでいるとへスター周辺のことで思わずニヤリとしてしまう楽しみがありますが、それだけです
前作のキャラはへスター以外誰も出てきません
親友ってことでクララとパリスの名前が少し出てくるだけでした
初めから終わりまでバロービー・ホール内で話が完結しているので、仕方がない所ですね
結論、理性的で堅実なヒーローとヒロインでした


HS-321 「放蕩貴族の初恋」

前作でヒール役だったエリオットがヒーローです
彼はハーレクインヒストリカルに良くいるなんちゃって放蕩者ではなく、本当の放蕩貴族でした
普通なら未亡人ヒロインの酷い前夫役になるようなキャラクターです
ヒロイン・グレースとの出合いだって、道端で泥酔して眠ってしまったのを強盗に襲われたと勘違いしたから彼女が家に連れて帰ったのだから
そして、助けられてからのエリオットの思考も最低です
彼は生きてる役なら、ヒール役しかできないロクデナシです
そんなとんでもないヒーローですが、しばらくするとタイトル通り初めて恋に落ちて、後悔を持って今までの人生を振り返るようになります
考え方もどんどん変わってきます。自分に都合の良いように厄介事にはかかわらない、厄介事からはすぐに逃げ出すという行動原理が、徐々に苦境に耐えるグレースを助けてあげたいに変化していきました
エリオットは、作中本人も1、2週間と言ってます通り、一週間で人が変わったように物事を真剣に考えるようになりました
「男子三日会わざれば刮目して見よ」の慣用句通りの成長です
元々、ずる賢く、悪知恵は働くし、変な意味で度胸がある典型的な詐欺師だったエリオットですから、いきなり善良な人間になる訳ではないですが、自分を追っている悪党やサー・ドナルド・フランクリンとの対決は中々格好良かった良いです
彼らしい対処の仕方ですけども
マーガレット・ムーアってちょっと変わった設定の場合が時々あるんですがこの作品もそうですね(「待ちわびた騎士」とかね)
私は王道も嫌いではないですが、ずっと読んでるとマンネリ化してしまうので、こういった作品も好きです


麗しき放蕩貴族 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

麗しき放蕩貴族 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 新書



黒の公爵 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

黒の公爵 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 新書



放蕩貴族の初恋 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

放蕩貴族の初恋 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 新書



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