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マーガレット・ムーア HS-297「麗しき放蕩貴族」 HS-313「黒の公爵」 HS-321「放蕩貴族の初恋」 [HQヒストリカル]

HS-297 「麗しき放蕩貴族」

ヒーローのパリスが学習障害(おそらくディスレキシア)を持っている珍しいタイプです
時代が時代なので障害とは言及されていませんが、日本と違って向こうでは周知の障害らしいので、読む人に説明が必要ないのかな
裏表紙のあらすじのあおり文句が「陽気な紳士のぼくの頭が、実は空っぽだとばれたらどうしよう」なんですが、読み進めると、この文句の意味が分かりません
なぜなら、パリスの頭は空っぽじゃないからです
それどころか、とても頭が良いと思えてくるのです
文字が読めない=馬鹿ではないですよね
まあ、この文句を考えた人がディスレキシアのことを全く知らない人なんだと思います
外見は良いし、地位も金も持ってるし、頭も良いし、性格も良い。完璧なヒーローなんだけど、ディスレキシアなので文字を中々理解できず、それをコンプレックスに感じている
欠点のあるヒーローが好きな私には堪らない設定でした*^^*
で、ヒロインのクララがとっても頭の良い秀才タイプ
本が大好きで、語学も大好き。数ヶ国語を読み書きできる才女
知識に対しての執着が凄まじく、知識を馬鹿にされると切れてしまいます^^;本を読まない人は軽蔑の対象(そこまではひどくないかな)
そんなヒロインですから、好きな人に蔑まれると思うと、文字が読めないなんて口が裂けても言えないパリスの気持ちが分かります
自分が男性に好意を持たれる訳がないと思い込んでいるヒロインは王道なのでいつも通りだなあと特に何も思わなかったのですが、コンプレックスを持っているために正直になれない煮え切らないヒーローがもどかしくって素敵でした。って、他の人はどうかわかりませんが、私のツボなんです~
クララの叔父さん叔母さん、ピムブレット家の面々やパリスの友人・執事や側遣いなどの個性が立ってて、ケイシー・マイケル風なドタバタ感がありましたが、あそこまでキャラが強くないので反って読み易かったと思います


HS-313 「黒の公爵」

時代はヴィクトリア朝中期。英国絶頂期です。話の内容や雰囲気はリージェンシーと同じです
前作では影が薄いけどクララに気に入られていたへスターがヒロインです
美人ではない冴えない女へ、誰もが羨むようなハンサム二人が本気で求婚するという、乙女の夢が詰まってる話でした
へスターもエイドリアンも人に不快感を与える性格でないし、相手を好きなことを自分自身に否定したりもしないので、ストレスも全く感じません
ただ、展開も設定も無難にまとまっていて、非常に読みやすい半面、あまり記憶に残る話ではないかなあという気はしました
一番キャラが立っていたのは駄々っ子エリオットですね
彼の印象は読後も強く残った気がします
まあ、次作ヒーローですし、存在感があるのは当たり前なんですけどね
「麗しき放蕩貴族」からのストーリーの繋がりはないので、これだけで独立して読んでも楽しめます。
前作を読んでいるとへスター周辺のことで思わずニヤリとしてしまう楽しみがありますが、それだけです
前作のキャラはへスター以外誰も出てきません
親友ってことでクララとパリスの名前が少し出てくるだけでした
初めから終わりまでバロービー・ホール内で話が完結しているので、仕方がない所ですね
結論、理性的で堅実なヒーローとヒロインでした


HS-321 「放蕩貴族の初恋」

前作でヒール役だったエリオットがヒーローです
彼はハーレクインヒストリカルに良くいるなんちゃって放蕩者ではなく、本当の放蕩貴族でした
普通なら未亡人ヒロインの酷い前夫役になるようなキャラクターです
ヒロイン・グレースとの出合いだって、道端で泥酔して眠ってしまったのを強盗に襲われたと勘違いしたから彼女が家に連れて帰ったのだから
そして、助けられてからのエリオットの思考も最低です
彼は生きてる役なら、ヒール役しかできないロクデナシです
そんなとんでもないヒーローですが、しばらくするとタイトル通り初めて恋に落ちて、後悔を持って今までの人生を振り返るようになります
考え方もどんどん変わってきます。自分に都合の良いように厄介事にはかかわらない、厄介事からはすぐに逃げ出すという行動原理が、徐々に苦境に耐えるグレースを助けてあげたいに変化していきました
エリオットは、作中本人も1、2週間と言ってます通り、一週間で人が変わったように物事を真剣に考えるようになりました
「男子三日会わざれば刮目して見よ」の慣用句通りの成長です
元々、ずる賢く、悪知恵は働くし、変な意味で度胸がある典型的な詐欺師だったエリオットですから、いきなり善良な人間になる訳ではないですが、自分を追っている悪党やサー・ドナルド・フランクリンとの対決は中々格好良かった良いです
彼らしい対処の仕方ですけども
マーガレット・ムーアってちょっと変わった設定の場合が時々あるんですがこの作品もそうですね(「待ちわびた騎士」とかね)
私は王道も嫌いではないですが、ずっと読んでるとマンネリ化してしまうので、こういった作品も好きです


麗しき放蕩貴族 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

麗しき放蕩貴族 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 新書



黒の公爵 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

黒の公爵 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 新書



放蕩貴族の初恋 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

放蕩貴族の初恋 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 新書



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