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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その2  …HS-66「ウェールズは遠く」HS-99「赤毛の貴婦人」HS-112「孤独な領主」 [HQヒストリカル]

ここからはしばらくディレイニア家から離れます

HS-66「ウェールズは遠く」
1222年夏まで?
ヒロイン:マデリン・ド・モンモラシー   ヒーロー:ダーヴィズ・アプ・イオロ
前作、深手を負って、望み通りヒューに捨てられたダーヴィズがヒーローです
物語の発生時期を確認していて、実は前作でダーヴィズが死にかけてから6年も経っていることに気づきました
ということは、6年も修道院に厄介になっていたようだ。ノルマンフランス語が話せるようになってても当たり前ですね
見事に何も持たないヒーローなので、どう話を持っていくのかと思っていたら、実はウェールズの高貴な出だった……という設定。まあ、忠実な部下(仲間?)以外、何にも持ってないのは持ってないんだけどね
更にはラストでエムリスに繋がります。残念ながら、本人は出てきませんけど。でも、ユーリーンやヒューが活躍していて嬉しい限りです。二人ともとても良い役どころでしたし
ヒロインのマデリンは好きではないタイプでしたが、ダーヴィズはかなりツボでした
ヒューがダーヴィスを見逃し(たぶん)たり、ユーリーンが二人を庇ったり、思わず嬉しくなる場面があります
ストーリーの展開も後半、特にマデリンがロジェに連れ戻されてからはハラハラしながらも先が気になって仕方がない緊張感があって、ページをめくる手が止まりませんでした
そう来るか!って感じです
特に最後にナイトの称号を拒否したダーヴィズは素敵です
ウェールズ人であることと名に誇りを持っているダーヴィズと、自分自身の存在にコンプレックスを持っていたユーリーンとは対照的でした
その二人の間に何かしらの友情が芽生えてる所も深いなあと思ったり……

因みに、「イオロ」の意味がとても気になったので調べてみた所、「handsome Lord」という意味らしい。つまり、ダーヴィズ・アプ・イオロとは偉大なる領主(イオロ)の息子ダーヴィズという意味のようだ。更には顔立ちの整ったいう意味でのハンサムの意味もあるのかも
そういう意味なら、確かに自称するような名前ではないな^^;
まあ、ウェールズの王家の血筋らしいので、イオロの名を持っていたお父さんはプリンスだったのかもね
それにしては前作では悪役のイーヴァー・ロードリの方が血筋がよさそうな書かれ方だったけど……イーヴァーはロードリ・マール(9世紀にウェールズを統一した王)の血筋ってことだったのかな



HS-99「赤毛の貴婦人」
1222年夏から?
ヒロイン:マイナ・チルコット   ヒーロー:ロジェ・ド・モンモランシー
前作最後に男を上げたロジェがヒーローです
話も前作からほぼ続いています
二人とも自尊心が強過ぎるゆえの、すれ違いと誤解の物語です。ハーレクインの王道ですね
その割にあまりストレスが溜まらなかったのは、ストーリーに波があって上手く纏まっていたからでしょうか
ロジェのマイナへの気持ちが強くて、メロメロ過ぎて笑っちゃうぐらいだったし^^;
前作のロジェのイメージが強いもんで、ここまで壊れるとは嬉しい限りです
恋で壊れちゃうヒーローは、これまた私の好物です
脇役も良い意味で話を盛り上げてくれます
マデリンに逃げられた(まあ、お互い乗り気ではなかった訳ですが)レジナルドが意外に良い人で、召使いとくっ付いちゃうのはびっくりでした
ていうか、部下でも臣下でもなく、貴族の地位からすると自分の方が上と知っているのにドゲール男爵の言い成りなレジナルドが哀れというか……
最後は臣下に下っちゃうしねえ
こういう所が中世の騎士の概念が難しいなあと思う所です
時代によって騎士の存在意義が違うしねえ
この作品は「ウェールズは遠く」とセットで読むのをお勧めします



HS-112 「孤独な領主」
1223年
ヒロイン:ガブリエラ・フレシャット   ヒーロー:エティエンヌ・ドゲール男爵
「ウェールズは遠く」「赤毛の貴婦人」から続いてます
ドゲール男爵は力のある貴族として出てきます
この時代、男爵の爵位を持っている貴族は直接国王に領地をもらい、忠誠を誓っているんですね。だから領主としては自分がトップにいるということ
つまり、エティエンヌとエムリスは格で言うと同じですね
で、伯爵(Earl)の爵位が男爵の爵位の上かというとそうでもないらしく、その爵位の意味と成り立ちが異なっているだけだったようです。伯爵の方は国王に領地を貰ったのではないということなのかな?調べてみても、この辺が良く分かりません
とりあえず、伯爵位が土地に付属しているということのようだ
男爵位に関しては土地とは関係なく個人に贈られるもののようらしい
でもまあ、そうなるとブライスがウエストボロー伯爵位を失って(つまり、国王が土地をフレシェット家から奪った)その領地をドゲール男爵が賜ったのも何となく理解できます
爵位に上下関係ができたのは14世紀になってからだそうです
こういう貴族事情だったので、伯爵の娘であるガブリエラが、一瞬にして召使いの地位にまで落ちてしまったのが納得いきました
これ、16世紀以降だったら父親が謀反を起こしたということ以外に娘が貴族でなくなるという状況がないですよね(貧乏で働いていても貴族は貴族だし)
ある程度時代背景が理解できてないとヒストリカルは納得いかないことばっかりです
さてさて、エティエンヌは愛人のいるヒーローです。過去形ではなく、現在進行形です
んでもって、かなりガブリエルに意地悪です
でもガブリエルはとっても健気だし、素直だし、間違いはきちんと認めるし、自分の状況が変わったことを受け入れて学習できる、とても素敵な女性です
かなり傲慢なヒーローで、好きじゃないタイプかもと……と初めのうちはビクついていた私ですが、さすが、マーガレット・ムーア。ただの傲慢ではありません
前作のロジェと系統が似てると思います。恋で壊れる系のヒーローでした*^^*(とは言うものの、恋で壊れないヒーローはいないんだけども)

エムリス、ヒュー関係は出てきません。名前でも出てこなかった気がする。更にはロジェも出てこないので、ちょっと残念
でも、再登場の騎士たちがいます
「約束の地へ」でかっこいいお兄さんぽく登場したジョージ・ド・グラマシー
更には同じく「約束の地へ」でユーリーンに鍛えられていた従士二人。そう、あのドナルドとセルダン!
同じ年ぐらいのヒューがかなり前に結婚しているので、二人もいい年のはず。しかし、この二人、何となく華がない気がする^^;何でだろう
そして、従者の時からセルダンの性格が180度変わっていて面白かったです。超真面目な堅物人間になってしまったようだし、彼がヒーローの話があればいいのに

ウェールズは遠く−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

ウェールズは遠く−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット・ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 新書



赤毛の貴婦人−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

赤毛の貴婦人−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 新書



孤独な領主−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

孤独な領主−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 新書



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