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マーガレット・ムーア 「戦士に愛を」シリーズ その1  …HS-37「剣と竪琴」 HS-45「約束の地へ」 HS-49「羊飼いと姫君」 [HQヒストリカル]

マーガレット・ムーアの「戦士に愛を」シリーズです
集め出して、早2年
やっとです
最近リージェンシーばっかり読んでいたので、ちょっと新鮮な感じで楽しく読めました

HS-37「剣と竪琴」
1201年
ヒロイン:ノルマン貴族ロアンナ  
ヒーロー:ウェールズとノルマンのハーフ、エムリス・ディレイニア(29歳?)

略奪は中世ロマンスお約束ですね
ロアンナが嫁入りのために旅をしている最中に、エムリスが花嫁を誘拐します
元々は、誘拐が目的ではなかったのですが、一目惚れして連れてっちゃうんです。初めは一目惚れだと思ってないですけどね
ヒロインのロアンナは従順で頭が良く、とても芯の強い女性なので、とても安定していてストレスを感じません
でも、エムリスの方が体に問題を抱えていて、もどかしいです
体の中心に達している怪我が元で、彼は自分がそういうことができないし、子供も作れないと思い込んでいるんです
内容が内容なので、誰にも相談していないし、誰も気づかない。エムリスの葛藤も分かりますが、結婚したのに無視され、理由も教えてもらえないロアンナが可哀そうです
この問題と、ロアンナの元婚約者でエムリスの従兄のキンリクとの確執がストーリの核になります
従兄との確執の方は王道で分かりやすい……と思っていたら、実は従兄ではなく……というちょっとした仕掛け(?)が中盤に
全体的に中世ロマンスの王道と感じましたが、色々な部分でマーガレット・ムーアらしい裏切りがあります
純粋に面白かったです
色々欠点があって、苦悩するヒーローは私好みですしね

さて、話の所々に出てくるユーリーン・フィッツロイがとても気になる存在。スピンがあるんだろうなと思わせます
更に、とっても整った天使のような顔立ちの少年ヒューも描かれ方が気になります。と思っていたら、こっちも次作以降のヒーローで登場なんですね



HS-45「約束の地へ」
1206年(エムリスと5年前に出会ったと言っているので)
ヒロイン:フリーサ   ヒーロー:ユーリーン・フィッツロイ

ユーリーンがただの兵士で、平民で、庶子なのでどう考えてもフリーサに釣り合いません
まあ、お約束で最後には騎士になって領地を手に入れるんだろうけど……と思って読み終えました。騎士にはなりましたが、領地はありません
さすがマーガレット・ムーア。またもや予想を裏切ってくれました。ユーリーンとフリーサが結婚後にどうなるのかは、以降の作品で明らかになります。特に息子達の時代になってからね
って、初めに結末書いてどうするんだ私^^;
サクソン人の貧乏伯爵の娘で、父親に捨てられてジェルヴェ伯爵に育てられたフリーサと庶子で農民の出であることにコンプレックスを持っているユーリーンの物語です
おや?この時代には珍しく、二人ともノルマンではなくサクソン人なんだと今さら気付きました(ユーリーンの父親がノルマン人でなければですが)
あまり表には出てませんでしたが
11~13世紀はいろいろと複雑ですよね
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、現在の英国の原型ができてきたのが13世紀。丁度「戦士に愛を」の時代背景です
この少し前にノルマンクエストがあり、アングロサクソン系の領主が姿を消します
フリーサは父親に捨てられたと言っていますが、時代を考えると政治的な事情があったんだと思います
物語は悪女のアデラ対フリーサの様相を呈していきますが、後から考えると小姑フリーサの存在が最大の原因だった気がします
父親から捨てられたと一方的な考えで傷付いていたフリーサを考えると、アデラに対しても初めから嫌っていた節があります
フリーサ自身の我も強いし、女二人が女主人であることを主張していては、そりゃ上手くいかないよね
ストーリーを読み進めている時は何とも思わなかったですが、読み終わった後に何だか後味の悪い想いがありました
アデラが哀れでした。けして初めから悪女だった訳ではなく、フリーサの存在が彼女を破滅に導いたような気がしました
ユーリーンが騎士になる前にフリーサに手を出しちゃったところも不満な部分でした
とは言いつつ、前作ほど王道ではなかったですが面白かったです
そして、やっぱり私生児で苦悩するヒーローが好きな私です^^;

さてさて、この作品では気になる人が何人も出ています
前作少年だったヒューはエムリスの従者として立派に成長してるし、サー・ジョージ・ド・グラマシーは何だか格好いいお兄さんのようだ。ヒューと一緒にユーリーンに叱られたドナルド、反省して良い子になったセルダン、2年前に奥さんを亡くしてるトレヴェリアン伯爵も気になる所



HS-49「羊飼いと姫君」
1215年(ジョン王が生きていて、マグナ・カルタを受け入れたとあったので)
ヒロイン:トレヴェリアン伯爵の一人娘リリアナ(19歳)   
ヒーロー:ヒュー・モーガン(22歳)

若造ヒューが登場です。前作「約束の地へ」でヒューが13歳だったので、今作では22歳ですね。若っ!
リリアナが19歳だし、ストーリーに流れている明るさや軽薄さは納得です
超お嬢様のレディ・リリアナと羊飼いの息子に生まれた騎士ヒュー
ヒューの逆玉物語です
しかし、私はリリアナに問題があるようには思えなかったんだけどなあ
伯爵の一人娘でずっと女主人をしていたリリアナだから、気位が高いのは当たり前だし、頑固なのも仕方がない。でも、頑固といっても、間違いは認めるし、素直だし、努力家だし、特にヒロインとしての難はなかったです
まあ、若いからちょっと衝動的な所が難と言えば難かな。とはいえ、年齢からするとまだ分別がある方だと思いました
彼女の気持ちに配慮しない、彼女の話を真面目に聞かない、彼女を信頼しないヒューは問題ありすぎだけど
ヒューはリリアナにコンプレックスを感じていたのかな?
物語は全体的に軽い感じで読み易かったです
ロマンスも普通に楽しめました。お互いに自分の気持ちに素直になるシーンは思わず微笑みたくなるような優しい気持ちになります
前作、前々作に比べると初々しくて微笑ましい二人でした

ダーヴィズの出番が待ち遠しい感じですが、ウェールズ人反逆者である彼が騎士になったり領主になったりする話は想像できません。楽しみですね

剣と竪琴−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

剣と竪琴−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: 新書



約束の地へ―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

約束の地へ―戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 新書



羊飼いと姫君−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

羊飼いと姫君−戦士に愛を (ハーレクイン・ヒストリカル)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 新書



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