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「悪しき貴族は乙女をさらう」 アン・スチュアート [MIRA文庫]

「悪しき貴族は乙女をさらう」(愛と享楽のローハン子爵家2)

なんだ?この強引な設定は。
と思ったのは、前作ジャコバイトでお尋ねものだったフランシス・ローハンの36年間の境遇です。
何故に英国貴族ヘイヴァーストーク侯爵になってるんだ?
ローハン子爵家だったはずなのに、ローハン子爵が嫡男の儀礼称号になってしまってるーー;
と、すっごい腑に落ちなかったのですが、作者HPで前作のエピローグが無料公開中でした。
http://anne-stuart.com/epilogue-ruthless
前作を読んでいる方は、こっち読んでから作品に入るのをお勧めします。
他愛ない話ですけどね。謎は解けます。
短いので精読してみました。左上の「日本語訳のメモ」のブログに日本語訳アップしています。
訳仕方が難しくて物凄い意訳になってる部分が多数ありますが……。

さて、ということで、ヘイヴァーストーク侯爵の後継ぎローハン子爵エイドリアンがヒーローのこの作品、前作と異なり、コミカルな感じがしたのは、エイドリアンがあまりにもお子ちゃまだからでしょうか。
序盤、父親張りにかなりいい感じの放蕩者ローハン子爵の雰囲気を醸し出していたエイドリアンですが、話が進むにつれ、どうやら人物像が思っていたのとかなり違うことに気づく。
15歳で過酷なカローデンを経験したフランシスと異なり、28歳という若さも相まって相当のおバカキャラになっております^^;
ま、それだけに、実は普通の誠実な青少年になれたかもしれないヒーローですね。根は真っ直ぐな子です。
反抗期と兄の死が重なって、偉大な父への反抗期が上手く終わらず、エティエンヌに捻じ曲げられてしまったという所か……。
元々かなりヤな奴だったエティエンヌがパワーアップして、極悪人に育ってしまってました。
そんな極悪人の謀略に全く気付かないエイドリアンにやきもきしつつ、ヒロイン・シャーロットへのメロメロぶりというか、混乱ぶりは読んでて楽しかったです。
衝動的でお子ちゃまな話もたまには良い。
そして、ヒロインが姉さん女房で良い感じ*^^*
十年前の出会いを覚えてるってことは、エイドリアンにとっても何らかの感じるものがあったんだろうし、いいわあ、この設定。
もう一つのカップルの方も設定が好きだわ。サブキャラとしてではなく、メインで読みたいロマンスでした。

何も考えずに気楽に読めた作品でした。とってもリージェンシーらしい作品だったしね。前作より一般受けしそうな内容です。


悪しき貴族は乙女をさらう (MIRA文庫)

悪しき貴族は乙女をさらう (MIRA文庫)

  • 作者: アン スチュアート
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2014/10/11
  • メディア: 文庫



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「時の扉とシンデレラ」 ヴィクトリア・アレクサンダー [MIRA文庫]

「時の扉とシンデレラ」 ヴィクトリア・アレクサンダー

2014年7月の新刊です。
純粋なヒストリカルロマンではないし、タイムトリップ物だし、期待して読んではいけないと思って、新刊購入するつもりなかった作品です。
でも、どっかで感想を読んで、読みたくなってしまったんですよね。
で、ヴィクトリア・アレクサンダーだしっと思って本屋で購入。
彼女の処女作ってあったから、出来るだけ期待せずに読んでみました。
ヴィクトリア・アレクサンダーらしいキャラクター達と、全体的に洗練されてないし、物語の奥行きがない感じは受けましたが、まあ、面白く読めました。
本当はとっても切なくなるはずのお話なんだけど、何処かコミカルに話が進んでいくのは彼女らしい作風です。
全体的に駆け足で、アダムとマギーのロマンスがかなり物足りない感じ。
アダムに苦悩がないし、マギーが結構自己中。なんか、二人ともずっと怒ってます。主人公にあまり魅力を感じない。
まあ、これもヴィクトリア・アレクサンダーの作品の特徴かも。
実はラストをどう〆ているのかだけが気になって手を出しちゃったんですよ。


最終的にコナーとリディアがくっつくような気がしてたんだけど、本当に二人の間には何にもなかったのね^^;
1995年のリディアと、1818年のとてもハンサムなコナーがとっても気になります。
将来、リディアはアダムたちの子孫であるコールリッジ伯爵に会うかもなあとか、思ったり。だったら、コナーの子孫であるシンクレア子爵にも会うかも、と考えたり。
リディアのその後にちょっとドキドキです。

時の扉とシンデレラ (MIRA文庫)

時の扉とシンデレラ (MIRA文庫)

  • 作者: ヴィクトリア アレクサンダー
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 文庫



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「無慈悲な王に手折られし薔薇」 アン・スチュアート [MIRA文庫]

「愛と享楽のローハン子爵家」などというシリーズ名が付いていますが、順調に刊行してもらえるのだろうか。

アン・スチュアートのコンテンポラリーは読んだことがないので、作家の持ち味とか、魅力とかは説明できませんが、前回読んだ作品の放蕩ヒーローの性格や価値観が最後までぶれなかったのが良かった。
女は男で変わるけども、男は女では根本的なところは変わらない。男を変えるのは経験だと思っているので、その私の考えに合っていたんだと思う。なので、アン・スチュアートのヒストリカルということで、見つけた瞬間衝動的に買ってしまったのだ。
正直、かなり期待して買いました。

今作、期待を裏切らないヒーローの捻くれ者ぶりと、予想外の献身的な所が良いです。
40歳を目前にして人生に疲れていたし、放蕩が過去の記憶を紛らわせてくれている間に、時間が過去を過去のものとしてくれていたのではないかと思う。
だから心にエリナーが飛び込んでくる余地があったのだろう。
色々な意味で理想ではないし、ものすごく不器用で天の邪鬼なヒーローで、ヒロインにメロメロなくせにそれを絶対に表に出せないヒネたところがど真ん中でした。

でも、主人公たちの設定から、人を選ぶ話です。
タイトルから想像するのと、大分内容が違います。
全然エロティックじゃないし……乱交パーティがエロいだけ?、
良く考えるとヒロインが物凄く不運だし……最後なんて、倫理的にかなりひどい状況だよねえ><
俺様ヒーローと生娘ヒロインの話だと思ってたし……なにせタイトルが「無慈悲」な王に「手折られし」薔薇、なもんで。
最後の最後まで甘い雰囲気にならないし。最後まで読んでも全く甘い所がないし……タイトルのような甘美な感じがしなかった。
という感じの話です^^;
完全無欠のハンサムヒーローや真面目で傲慢で責任感の強いヒーローにあまり魅力を感じない、私と思考の似た方にお勧めの作品かな。

この後、イギリスに帰れないジャコバイトであるフランス貴族のローハンが、21年後のフランス革命でどのような運命を辿るのか、なんてことを考えると切なくてやりきれなかったりします。
シリーズはローハンの孫辺りの話なのかな?それともローハンの親族の話?と、思いつつ、続きがMIRA文庫から出ることに期待です。

追記↑なんてことを考えてたんですが、エピローグが作者のHPで無料公開されてますね^^;
http://anne-stuart.com/epilogue-ruthless
興味のある方どうぞ。
英語苦手な方、左上の「日本語訳のメモ」のブログに日本語訳アップしてみました。
やはり英語苦手な私なのでお目汚しって感じですが><


無慈悲な王に手折られし薔薇 (MIRA文庫)


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MIRA文庫「賭けられた薔薇」「囚われた貴石」 クリスティーナ・ドット [MIRA文庫]

「賭けられた薔薇」

何となく買って読んでしまった
読み始めて失敗したと後悔……
思慮が浅く衝動的で無分別で頑なな上反省をせず高慢で自分の気持ち以外は考えたこともなさそうという、見事に私の嫌いなヒロイン^^;
そしてヒーローがこれまたプライドが高くて完璧系。でも、まあ、マデリンにメロメロな所は可愛いので良しとしよう
ということで、ストレス溜まる系のリージェンシー王道のカップルです
読んでる間、ずーっとマデリンに苛々し続けました
イングランドで唯一、女公爵になる女性という彼女の設定が設定なので、傲慢で自分を曲げられないのは仕方がないと思うんですけどね
やっぱり素直で謙虚なヒロインの方が好きです
因みに、序盤はマグナス公爵の犯した騒動から物語が始まりますが、この騒動はこの話とは全く違う所で進みます。なので、作品は完全に「次作へ続く」となってます
父親の所為で陥ったマデリンの窮地に関しては全く解決しません
過去の自分が原因で、元婚約者と出会って勝手に窮地に陥ってますけどね
二部作というよりも前後篇といった感じ
エレノア編を読まないと、読後感は微妙かな
この作品自体は、私としては可もなく不可もなく、普通のリージェンシー物といった印象です
ヒロインを受け入れられる人なら、結構面白いのではないかなと思います
実際、話が動き始める後半はページを読む手が止まらず、一気に読み終えてしまいましたので
苛々して中々ページが進まなかった前半とはえらい違いでした^^;
最後の方の約束を守るとか信頼関係云々は納得いかない部分もありましたが、まあ、こういう二人ですからいたしかたない?

さて、次作ヒロイン・エレノアは思慮分別のあるキャラクターのようなので、そっちは楽しみです



「囚われた貴石」

思った通り、ヒロインもヒーローもこっちの方が私の好みでした
どちらも衝動的ではなく、しっかりしていて芯が強いんですよね
ただ、入れ替わり系のお話は、バレタ時のことを考えるとドキドキして読み進めるのが怖くなってしまいます
バレるまで話に緊張感があり続けるので、読む方としては楽しめる部分もあるんですけどね
で、さすがに結婚式の当日、誓いも終わって衆人環視の中ってことはないだろう……とか思ってたら、ありましたね
前作の最後から繋がるのは分かっていたので、マデリンが誓いには間に合うとばかり思っていました
ていうか、自分が頼んでおいてエレノアを放置って、やっぱマデリンは嫌いなタイプだわ
エレノアもレミントンも似た者同士で、根が真面目で物事に対して真摯なんですよね。更には善人だし、嘘は付けないし、堅実だし……つまりは善人
なので、お互いの関係に関しては安心して読み進められました
実はマデリンがエレノアだったと、分かってからのレミントンがもっと荒れてエレノアに当たり散らすのかと思ったんですが、思ったほどではなく、誠実で素敵でした
うん。こういうタイプのヒーローは好きだ。ちゃんと現実が見えていて、受け入れる度量もあるし、変にごまかさないので読んでて気持ちがいいです
まあ、前作の二人に比べると華がないのは仕方ないですね
物語の展開の仕方も読みやすく、ミステリ部分もロマンス小説らしい単純明快さで気軽に読めました
終盤にはマデリンとガブリエルも合流してストーリーの核心へ
最後のエレノアとレミントンの告白は微笑ましいというか、状況はひどいんだけどコミカルで、思わず口元に笑みが浮かんでしまいました

好みはあると思いますが、どちらも面白かったです
でも、ま、読む時は2冊セットで

賭けられた薔薇 (MIRA文庫)

賭けられた薔薇 (MIRA文庫)

  • 作者: クリスティーナ ドット
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/06/15
  • メディア: 文庫



囚われた貴石 (MIRA文庫)

囚われた貴石 (MIRA文庫)

  • 作者: クリスティーナ ドット
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: 文庫



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HQB-368 「孔雀の貴婦人」ニコラ・コーニック [MIRA文庫]

HQB-368 「孔雀の貴婦人」ニコラ・コーニック

ニコラ・コーニックの作風を期待してるとがっかりするかも
話の展開なんかは、ニコラ・コーニックだなあと思えるのですが、ヒロインの設定がかなり痛々しいのです
そして読み進めていてあまり好きではない展開に……
なんか、昔こんな作品読んだ気がするなあと思っていて思い出しました
ゲイル・ウィルソンの「夜が明けるまで」です。ものすごく、読後の後味が悪かった覚えがあります(面白くないということではありません)
後半でヒーローが知らされた、マリ自身さえも知らない過去が前述の作品と同じパターンなんですよね
つまり、ヒロインが元愛人で、王道のなんちゃってやヒーローの誤解ではないのです
愛人になった理由も前述の作品と同系統で家族のために脅されて。そして終盤にその必要がなかったと知らされるパターン……ヒロインが経験豊富なのは全然平気だけど、この脅されて屈したのにその必要がなかったというパターンが私が最も苦手とする展開です><
ラストにハッピーエンドでも、気持ち良く読み終われないんです
更に、ヒロインが犯罪に加担しているのも私的には気持ち良くない原因の一つ
作品全体に言えることですが、大義名分、人の善の感情の前に法が軽んじられすぎている
義賊に関しては王道だし、まあ、納得いかないまでも良しとしても、ヒロインの意思に沿うために司法の手から殺人者を国外へ逃がしてしまうヒーローは嫌だな
見逃すのと、捕まったのを逃亡させるのは大きな差があるし、その際の法に忠実であろうとする苦悩とかが全くないのが気に入らなかった所かも
と、私的に色々問題のある作品です
ただ、脇役のキャラクターがニコラ・コーニック節が効いていて読んでいて楽しかったです
公爵夫人のその後はとっても気になるところですしね


孔雀の貴婦人 (ハーレクイン文庫)

孔雀の貴婦人 (ハーレクイン文庫)

  • 作者: ニコラ コーニック
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2011/04
  • メディア: 文庫



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