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「恋物語の悪役をあなたに」「薔薇のキスであなたを」「あのキスの記憶」マーガレット・ムーア [HQヒストリカル]

マーガレット・ムーアのキスシリーズです
初めに3作目の「A Lover's Kiss」がハーレクインヒストリカルで邦訳されましたが、その前の2作は他の出版社だったので邦訳は全く期待していませんでした
それが、4,5月に発行されているのを発見!
4作目の「The Viscount's Kiss」の邦訳が楽しみです……ていうか、邦訳してほしいわ


「恋物語の悪役をあなたに」(Kiss Me Quick)RHブックスプラス
今作ヒーロー、アダーリー子爵・エドモンド、その友人たちブリックス、ドゥルーリー、バギー、チャーリー、後のヒーローたちが素敵です
で、作品はというと、ヒロインが小説家を目指してヒーローを悪役に作品を書くという設定なので、デボラ・シモンズの「悪魔と乙女」を思い出しました。テイストや展開は全く異なりますが……
ダイアナに振り回されるエドモンドの心の動きが丁寧に描かれていて良かったです。展開が私好み^^
奇抜な設定やストーリーではないですがとっても楽しめました
ダイアナもエドモンドも隠しごとをしたり嘘を言ったりしないので、変な誤解もなく、ストレスなしでスイスイ読めます
終盤にエドモンドの何年も前の過去の愛人と子供が出てくるんですが、変に勘繰ったりせずに直接彼に話に行くダイアナは清々しい気もしました
それに対するエドモンドの対応も潔くて気持ちいいぐらい。1年間の冷却期間を受け入れるところとかもね
ラストは私生児問題も可決し、小説家デビューも果たし、ハッピーエンド
満足な一冊でした
そして明らかに次作以降への伏線になりそうなエピローグが想像を掻き立てます


「薔薇のキスであなたを」(Kiss Me Again)RHブックスプラス
ヒーローは伯爵家の次男ブリグストン・スマイス=メドウェイで、ヒロインは前作で煙たがられていたファニーです
そう、前作でブリックスが「50歳まで誰とも結婚しないし、ファニーとは絶対結婚しない」と大金を賭けたことから物語が始まります
このヒーロー、やはりデボラ・シモンズの「最後の子爵」のヒーロー、ラリーを思い出しました
明るくて冗談好きで、周囲の人には馬鹿と思われたがってる所とか。……まあ、読み終って、やっぱりおバカだとは思いましたが
このカップル、実は結婚に何の障害もないんです。本当なら
ダイアナとエドモンドは世間の評判と叔母たちの反対という障害があったけれど、この二人は家族も認めてるし世間も認めてたのです(過去形だけど)
障害はブリックス自身だけという、甚だストレスの溜まる設定です
序盤はとっても良かったんだけど、中盤以降の自分以外の人の気持ちに無頓着なファニーの態度が鼻に着く感じで、ものすごく嫌だった
1年ぐらい前に「あのキスの記憶」を読んだせいか、あまりファニーが好きになれず、感情移入ができなかったのが原因かな
反対に序盤は感情を抑えていたブリックスが徐々に感情的になったり苦悩する姿や、態度や台詞から窺えるドゥルーリーの気持ち(「あのキスの記憶」のイメージがあったからかもしれないけど)が切なくて良かったです
アダーリー子爵夫妻のその後も堪能できますしね
結局ドゥルーリーの目論見通りの結末で、友人同士の関係も修復されてハッピーウェディング
ってか、ブリックスが頑固でなければ何もこじれなかったって話でした^^;


「あのキスの記憶」(A Lover's Kiss)ハーレクインヒストリカル
5人組の中で私の一番のお気に入りが今作ヒーローの弁護士ダグラス・ドゥルーリーです
完璧系傲慢ヒーローは苦手なので、どこかしら欠点のあるこの5人はみんな嫌いではないけど、やっぱり両手に障害を持つ影のある彼が一番好みです
前作でも少し片鱗がありましたが、愛された記憶がなく、誰かに一途に愛されたいという願望が切ないです
ファニーに対しての気持ちを本人は否定していましたが、前述の願望がブリックスを一途に愛するファニーという姿と重なって恋心に変っていったのではないかと推測しました
フランスでの拷問の所為でフランス人全てを嫌悪し憎んでいるドゥルーリーが徐々にフランス人のジュリエットに惹かれていく過程が微笑ましかったし、嬉しく感じました
ジュリエットがドゥルーリーの何にも覆われていない素の両手を握って、その手にキスをするシーンの彼の感動にはじーんとしました
彼が完全に恋に落ちた瞬間です*^^*(作中、本人はそう思ってないけど)
基本、二人とも自分の気持ちに素直なので、お互いに想い合ってそういう関係になるのに変な障害がなくて気持ち良く読み進めることができました
ストーリーが佳境に入るまでは
結ばれるまでに障害が全くなかったので、そうくるかなあとは途中から思っていたんだけど……やっぱりか、って感じです
肉親がヒーローに殺されるといった話は身分違いとか素直になれないとかいった障害と異なり、深刻で話が重くなりますよね
ドゥルーリーがジュリエットに正直に話をしているシーンはつらいです
ただ、その後怒涛のようにラストになだれ込むので、思ったほど後を引かないのは読み進める上で楽でした
最後は色々なことが繋がり、もちろん大満足のハッピーエンド
身分違いは、別の障害の方が大きかったためか、あっさりと乗り越えてしまった二人でした
でも、準男爵の奥さんが商店主というのはリージェンシーではご法度のような……^^;


さてさて、作品を読んでいる間気になったのが、5人の年齢
ダイアナとジュリエットの大体の年齢は作中出てくるんですが、他は読み落としていなければドゥルーリーが作中30歳だったぐらいかな
なのでドゥルーリーの結婚が30歳
ダイアナとエドモンドの間に生まれたばかりの息子がいるとあり、ファニーが妊娠中。ということは、ファニーとブリックスが結婚して間がない?それとも、ダイアナたちは第2子?という疑問もありつつ、第一子と判断して
ファニーとブリックスの結婚が29歳。
エドモンドの結婚が27、8歳。というところかな
そして次のバギーの結婚は31歳以降ということになるのでしょうか
彼のお相手のヒロインがとっても楽しみです
きっとライバルは蜘蛛で、恋の障害も蜘蛛なんでしょうね
そして、願わくば、海軍大尉チャーリーのストーリーも書いてほしいです。5人中唯一貴族でないチャーリーも私の好みっぽいんですよね~


恋物語の悪役をあなたに (RHブックス・プラス)

恋物語の悪役をあなたに (RHブックス・プラス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 文庫



薔薇のキスであなたを (RHブックス・プラス)

薔薇のキスであなたを (RHブックス・プラス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2011/05/11
  • メディア: 文庫



あのキスの記憶 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

あのキスの記憶 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)

  • 作者: マーガレット ムーア
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 新書



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さとある

はじめまして。こんにちわ。すでにご存知かもしれませんが1/5刊 ハーレクインより、『幕開けは子爵のキスで』が出ます・・・。ヒーローがバギーことジャスティニアン・ブロムウェルです。マーガレット・ムーアの関連作品を探しているうちに、tomoyaiさんのブログにたどり着きました。既刊されているこのキスシリーズ、全部読んでみたいと思います。
by さとある (2011-12-13 16:00) 

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