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「優しい午後にくちづけて」 リサ・クレイパス [ライムブックス]

「優しい午後にくちづけて」 ザ・ハサウェイズ5

シリーズ最後の作品。末っ子、動物たちの救世主ベアトリクスがヒロインです。
この話しは他の4作品と違い、前後の繋がりがないので、あまり思い入れなく読み始めました。ヒーローも今まで登場した人ではなかったしね。
クリミア戦争に出兵しているヒーロー・クリストファーと友人の振りをして彼に手紙を出すベアトリクスやり取りが切ないです。
まさか、あのお茶目な動物好きのベアトリクスの物語が、こんな切なく始まるとは思ってもみなかったです。
そして、ちょっと分からなかったんだけど、中盤でクリストファーがプルーデンスの父親に求愛の許可を取ったくだりがあり、その後、婚約まで秒読みといった感じで話が進んでいきますが、あれはプロポーズしてないからセーフって、ことだったのかな?
許可を求めに行った時点で、泥沼系の話になるのかと身構えたんですが、かなりあっさりプルーデンスのことはなかったことになり、障害なくベアトリスト結婚してしまったので、少し拍子抜けしてしまったんですよね。
クリストファーが愚かではなく、冷静で、誠実だったので、ベアトリスは泥沼の切ない思いをせずに済んで、私も気持ち良く話を読めたのは確かですが……。
ヒーローがおバカさんではなかったということで、それだけでもかなりの高評価です。
ロマンス部分は早々に終了し、中盤以降の3分の1は、戦争によるクリストファーのPTSD(心的外傷後ストレス障害)に関してがメインになっていきます。
二人ともラブラブで、間に横たわっているPTSDをベアトリクスがどう解決するかといった方向に話が向かうと思ってたんですが、あんな劇的な展開になって解決するとは……。
傷付いた2足歩行の動物を彼女が癒していく話のはずなんだけど、なんか、最後は力技で解決させられた感じがしました。
うーん……ロマンス部分は完璧だっただけに、ご都合主義的な結末が……まあ、それをいえば、他の話も同じように都合良いタイミングでの力技での解決っていえばそうなんですけどね。
ということで、それもこれも全部、運命なのです。

皆さんの感想見てて、ザ・ハサウェイシリーズが絶対に面白いことが分かっていたんですよ。
だからこそ読まずに取っておいたんです。
そして、期待は全く裏切られず、大満足で読み終わりましたが、そのことがものすごく残念です。
もっと読んでいたかった。
再読はするでしょうが、初めて読んだ時のような読む手が止まらないワクワク感はもう感じられないのよね。
面白いのが分かっていて、読み終わった後の祭りの後のような残念感を感じるだろうことも分かっていたからこそ、手を出せなかった作品なんですが。
現在の心境は予想通りの結果になっています。
物語を全く知らなかった状態には戻れないもんなあ。
ああ~やるせない。

優しい午後にくちづけて (ライムブックス)

優しい午後にくちづけて (ライムブックス)

  • 作者: リサ・クレイパス
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2012/11/09
  • メディア: 文庫



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