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「夜色の愛につつまれて」「夜明けの色を紡いで」 リサ・クレイパス [ライムブックス]

何故、今さらのザ・ハサウェイシリーズ?と突っ込みが来そうですが……読み終わりました~
というより、読んでしまいました;;
リサ・クレイパスの作品は基本外れがないとは思いますが、主人公たちが非常に個性的で、特にヒロインのタイプが多岐にわたっています。
それ故、ヒロインが合わないと、読む気が失せてしまう作品も……^^;
で、多くのファンの例に洩れず、彼女の作品の中で私の一番のお気に入りが「壁の花」シリーズの「冬空に舞う堕天使と」なのです。
たぶん今まで読んだヒストリカルロマンスの中でもトップ10に入ります。
だから、もちろんキャムのその後が知りたかったし、ザ・ハサウェイシリーズも読む気でずっと手元に持っていました。それもちゃんと本屋購入で><(基本的にお気に入りの作家さんはちゃんと本屋で購入するようにしてます。売り上げがなくて邦訳本が出なくなるのが嫌だから)
にもかかわらず、読む楽しさがなくなってしまうのが怖くて、今まで読めませんでした。
読みたいけど読みたくない、新刊購入して本棚に眠っている作品がいくつかあります。リサ・クレイパスのザ・ハサウェイシリーズとメアリ・バログのシンプリーカルテットシリーズなんて、その最たるものです。
そして、とうとう手を出してしまいました。


「夜色の愛につつまれて」ザ・ハサウェイ1

「冬空に舞う堕天使と」で登場したロマのキャムがヒーローです。ヒロインはハサウェイ家の長女アメリア。
前述のように期待が大きくて……いえ、ヒロインに難がある可能性はかなり覚悟していましたが、なんだろう、この残念感は。
ヒロインは読者の好き嫌いが分かれそうなタイプです。
責任感が強くて家族思いの長女。ってのは私の好きなタイプなんですが、追いつめられると視野が狭くなり、悲劇のヒロインタイプになる女性的なキャラは苦手です。
でも、男兄弟のいる長女って感じが上手く出てるキャラだなあと思いました。
本当の年長者じゃないので、他人が解決してくれることはお任せできちゃうんですよね。男兄弟のいない長女だと、頼る相手がいても絶対頼りきりにはなれないからね。自分も負担したい荷物を二人で持つタイプか、相手に全部持ってもらって平気なタイプかで好き嫌いが分かれそうな性格でした。もちろん私は前者の方が好き。
キャムはロマの血を引いていることが唯一の欠点の、何でもできるスーパーヒーローですが、困ったことにあまり食指が動かなかった。おかしいなあ、前作で出てきた時は、絶対好みのヒーローだと思ったんだけど……。
レオやメリペンの方がよっぽど闇が深くて好きかも。
たぶん、キャムは作中色々考えはしてるけども、既にロマとアイルランド人の血に折り合いがついてるんですよね。それを実生活でどう投影するかが問題で。だからぐだぐだ考えていた訳で、特に深刻な悩みがあった訳でもない。あまり悶々することがないから、思った以上に惹かれなかったのかも。
ハサウェイ家自体はいろんな問題を抱えていて崩壊寸前だったけど、主人公のロマンス的には何も問題がなかったのも、あまり作中に入って行けなかった理由の一つかも。
そして、次作以降の伏線としての問題提起が多いことでロマンスに集中できなかったのも要因の一つかな。
やっぱりヒーローの苦悩は必要だと思う。キャムはちょっと人間が出来過ぎだったようだ。(私にとっては)

キャム側の脇役としてエヴィーとセントヴィンセントの登場はかなり嬉しかったです。
そういえば、蜂の部屋で見つけた宝の箱はレオに渡ったんだろうか? そういうくだりは次作以降でもなかったような……。まあ、キャムがいるからハサウェイ家はもうお金の心配はしなくていいんだけどね。



「夜明けの色を紡いで」ザ・ハサウェイ2

おお!レオがまともになってる!
っていうのが第一印象。
この作品、メリペンとウィンが主人公だけあって、ハサウェイ家の過去がしっかり描かれています。
メリペンがハサウェイ家の家族になるくだりから、例の猩紅熱でウィンとレオが死にかけた頃の事まで。
前作とは違いハサウェイ家の問題は大方良い方向へ向かっているので、メリペンの問題だけに集中することが出来て非常に読み易く、感情移入しやすかったです。
更に、ヒロインのウィンが自分の気持ちにとっても素直で、物語開始時点で既に愛を告白してるのも気持ち良かったです。
話としては、メリペンが自分の闇の部分と向き合って、引け目なくウィンを手に入れようと決心するまでが読みどころ。
留置所でのレオとメリペンの会話にハッとしました。前作、レオのメリペンに対しての態度が理解できたからです。自分は死ぬつもりだったくせに。と思って恨んでたんだね。
そして、つかみどころのない飄々とした印象を与えるレオですが、今回の件ではちゃんと長男してる所にぐっときました。

ロマンスとは別に前作から引き継がれている大きな物語の流れがあります。キャムとメリペンの出自の謎です。
終盤の毒殺未遂、キャムの従兄との出会い、二人の祖父の訪問と、3年近く何も分からない状態だったのに、ここにきてのたたみ掛けるような展開についてはご都合主義的な所が多分にありましたが、二人の結婚式に合わせてこうなるようになっていた。ってことで、ロマの言葉を借りれば、運命ということですね。
謎の家庭教師ミス・マークスも登場して次作以降が楽しみです。


夜色の愛につつまれて (ライムブックス)

夜色の愛につつまれて (ライムブックス)

  • 作者: リサ・クレイパス
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2008/12/10
  • メディア: 文庫



夜明けの色を紡いで (ライムブックス)

夜明けの色を紡いで (ライムブックス)

  • 作者: リサ・クレイパス
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: 文庫



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