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「月夜に輝く涙」 リズ・カーライル 二見書房 [二見書房]

「月夜に輝く涙」 リズ・カーライル

何故二見書房からの発行?
「黒髪のセイレーン」「今宵、心をきみにゆだねて」を発行したヴィレッジブックスはもうリズ・カーライルを出さないのだろうか
というのは、この作品のヒーローがベントリー・ラトリッジだからです
そうです、「今宵、心をきみにゆだねて」で出ていた怪しい雰囲気いっぱいの彼です
ド・ローアン、ジャイルズと共にスピンのヒーロー候補だと思っていましたが、予想通りでした
ただ、色々言いたいこともいっぱい
訳者のあとがきで納得しましたが、読んでいる間意味ありげな登場人物が多いこと多いこと
殆ど今までの作品に登場していた人たちです
中には邦訳されていない作品もたくさんあるのがとても残念です
ラノック侯爵はケンブルの元主人で「今宵、心をきみにゆだねて」で名前だけ出てた人だし、お兄さんのキャムも過去のヒーローらしい
ベントリーの義理の兄に当たるド・ヴェンデンハイム子爵は作中には直接表記されていませんが直感でド・ローアンだと思いました
時系列順に邦訳してほしいものです
二見書房からはジャイルズがヒーローの作品を邦訳する予定があるそうですが、その前にド・ローアンがヒーローの作品を読みたいです
こっちはヴィレッジブックスが発行してくれるとかないかなあ

って、ストーリーの感想になってませんね^^;
前述の通り、ヒーローはラトリッジ家の末っ子ベントリー。ヒロインはラノック侯爵の被後見人フレデリカ。
今まで読んだリズ・カーライルの作品は殺人事件があって、それが話の起点となってロマンスが展開されました。しかし、この作品は殺人事件は起こりませんし、事件はありません
ラトリッジ家の過去(ベントリーの過去)をフレデリカが解き明かしていくストーリーです
リズ・カーライルのヒロインは考えが浅はかで頑なさがあってあまり私好みではないのですが、ヒーローが結構好きなんですよね
ヒーロー・ベントリーは「今宵、心をきみにゆだねて」のヒーロー、デイヴィットと系統の似た放蕩者です
前作中、デイヴィット自身もそう感じてましたが、その通り、過去に捕らわれてあえて放蕩者であろうとする(ある意味ロマンスの王道)ヒーローでした
で、その放蕩の裏に隠された苦悩に全く気付かない上に、敢えて傷つけようとする鈍感なヒロインもセシリアに似てる?^^;てなところまで、私的にヒロインがビミョ~なんですけどね
しかし、これだけ長いストーリーながら、中だるみはないし、一気に読ませる展開はさすがです
そして、終盤は幼いベントリーが可哀そうで涙が出そうになりました
父親やカサンドラは性的虐待だし、キャムのベントリーへの対応ってネグレクトだし
こんな環境で良くまともに育ったものだと思います……なんちゃって放蕩者になるぐらい可愛いものですよ
中盤ぐらいからベントリーが抱える問題はほぼ読者に解るようになっていますが、フレデリカがそれを理解するのは終盤で、彼女がベントリーを傷つけてからなんです
何となく事情がわかってるこっちとしてはその時点でフレデリカに感情移入は無理でした。まあ、元々シンクロしにくいヒロインでしたけど
なにはともあれ、ラストはすべてが収まる所に収まり、大満足でした
生まれてくる子供に関しては、なるほどねえ~とちょっとしてやられた感あり
他の事に気が行ってて子供の性別の話なんて最後忘れていましたわ^^;

まだまだ邦訳されていないリズ・カーライル。何処の出版社でもいいから、順番に邦訳してほしいものです
ジャイルズよりも先にラノック侯爵、キャム、ド・ローアンの話が読みたい~


月夜に輝く涙 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

月夜に輝く涙 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 作者: リズ・カーライル
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: 文庫



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